法案の内容は、国際協力のため日本国の財務を用いて、有償ならびに無償において、資金を提供するということである。その所轄大臣は外務大臣及び財務大臣にするとのこと。
海外に日本のお金をばら撒く事は、結果的に自然界と経済の間にあるバランスを欠き、自然破壊の発生及び国際紛争の要因となっていることにかんがみ、平和党は同法案に対しては反対する。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |
第一六五回
閣第三号
独立行政法人国際協力機構法の一部を改正する法律案
独立行政法人国際協力機構法(平成十四年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
目次中
「 | 第三章 業務等(第十三条―第十五条) | |
第四章 雑則(第十六条―第二十一条) | ||
第五章 罰則(第二十二条―第二十四条) | 」 |
を
「 | 第三章 業務(第十三条―第十六条) | |
第四章 財務及び会計(第十七条―第三十七条) | ||
第五章 雑則(第三十八条―第四十四条) | ||
第六章 罰則(第四十五条―第四十八条) | 」 |
に改める。
第三条中「並びに無償の資金供与による開発途上地域の政府に対する国の協力の実施の促進及び」を「、有償及び無償の資金供与による協力の実施並びに」に、「発展又は復興に寄与し、国際協力の促進」を「開発若しくは復興又は経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展」に改める。
第五条第一項中「附則第二条第六項」の下に「及び独立行政法人国際協力機構法の一部を改正する法律(平成十八年法律第▼▼▼号。以下「改正法」という。)附則第二条第五項」を、「金額」の下に「の合計額」を加え、同条第三項に後段として次のように加える。
この場合において、当該資本金は、第十七条第一項に定める経理の区分に従い、同項各号の業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。
第七条第一項中「二人」を「三人」に改め、同条第二項中「六人」を「八人」に改める。
第十一条中「漏らしてはならない」を「漏らし、又は盗用してはならない」に改める。
「第三章 業務等」を「第三章 業務」に改める。
第十三条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(業務の範囲)」を付し、同条第一項第七号を同項第九号とし、同項第六号中「第三号ハ」を「第四号ハ」に改め、同号を同項第七号とし、同号の次に次の一号を加える。
八 前各号に掲げる業務に関連して必要な調査及び研究を行うこと。
第十三条第一項中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、同項第三号中「発展」を「開発」に改め、「この号」の下に「及び第四十二条第二項第三号」を加え、同号を同項第四号とし、同項第二号中「条約その他の国際約束に基づき」を削り、「政府」を「政府等若しくは国際機関又は法人その他の団体」に改め、「協力(」の下に「政府の決定に基づき、」を加え、「協力をいい、以下この号において」を「協力をいい、以下」に、「の実施の促進に必要な」を「に関する」に改め、同号イ及びロを次のように改める。
イ 条約その他の国際約束に基づく無償資金協力(機動的な実施の確保その他外交政策の遂行上の必要に基づき、外務大臣がその実施のために必要な業務の全部又は一部を自ら行うものとして指定するものを除く。)の実施のために必要な業務を行うこと。
ロ イに規定する無償資金協力以外の無償資金協力のうち、その適正な実施を確保するために機構の関与が必要なものとして外務大臣が指定するものに係る契約の締結に関し、調査、あっせん、連絡その他の必要な業務を行うとともに、当該契約の履行状況に関し必要な調査を行うこと。
第十三条第一項第二号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 有償の資金供与による協力(資金の供与の条件が開発途上地域にとって重い負担にならないよう金利、償還期間等について緩やかな条件が付されているものに限る。以下「有償資金協力」という。)に関する次の業務を行うこと。
イ 条約その他の国際約束に基づく有償資金協力として、開発途上地域の政府、政府機関若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)又は国際機関その他の外務大臣が指定する者に対して、その行う開発途上地域の経済及び社会の開発に寄与し、かつ、我が国との経済交流を促進するため必要と認められる事業(これらの事業の準備のための調査又は試験的実施を含む。以下「開発事業」という。)の実施に必要な資金又は当該開発途上地域の経済の安定に関する計画の達成に必要な資金を貸し付けること。
ロ 我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者に対して、その行う開発事業の実施に必要な資金を貸し付け、又は当該事業の遂行のため特に必要があるときは出資をすること。
第十三条に次の一項を加える。
3 機構は、前二項の業務のほか、外務大臣が適当と認める場合には、本邦又は外国において政府等若しくは国際機関又は法人その他の団体の委託を受けて、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、開発途上地域の経済及び社会の開発若しくは復興又は経済の安定に寄与する業務を行うことができる。
第十四条及び第十五条を次のように改める。
第十四条 機構は、前条第一項第二号に規定する業務について、一般の金融機関が行う資金の貸付け又は出資を補完し、又は奨励するよう行うものとし、これらと競争してはならない。
2 機構は、一般の金融機関が通常の条件により資金の貸付け又は出資を行うことが困難と認められる場合に限り、前条第一項第二号に規定する業務を行うことができる。
3 機構は、開発事業に係る事業計画又は前条第一項第二号イの経済の安定に関する計画の内容が適切であり、その達成の見込みがあると認められる場合に限り、同号に規定する業務を行うことができる。
(委託並びに委託業務に従事する銀行等の役員及び職員の地位)
第十五条 機構は、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)に規定する銀行、長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)に規定する長期信用銀行その他政令で定める金融機関(以下この条において「銀行等」という。)に対し、有償資金協力に関する業務(第十三条第一項第二号に規定する業務並びに同項第八号及び第九号並びに同条第三項に規定する業務のうち有償資金協力に係るものをいい、以下「有償資金協力業務」という。)の一部を委託することができる。
2 前項の規定により機構の業務の委託を受けた銀行等(以下「受託者」という。)の役員及び職員でその委託を受けた業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第二十四条を第四十八条とする。
第二十三条中「役員」の下に「又は職員」を加え、同条第二号中「第十五条第一項」を「この法律」に改め、「外務大臣」の下に「又は財務大臣」を加え、同条に次の四号を加える。
三 この法律の規定により主務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
四 この法律の規定により財務大臣又は主務大臣に届出をしなければならない場合において、その届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第三十三条第一項の規定に違反して資金の借入れ又は債券の発行をしたとき。
六 第三十六条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
第二十三条を第四十七条とする。
第二十二条中「漏らした」を「漏らし、又は盗用した」に改め、同条を第四十五条とし、同条の次に次の一条を加える。
第四十六条 第三十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした受託者の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
2 機構の役員又は職員に関する通則法第七十条の規定の適用については、「二十万円」とあるのは、「三十万円」とする。
第五章を第六章とする。
第二十一条を削り、第四章中第二十条を第四十四条とする。
第十九条中「機構」を「この法律及び機構」に、「主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ外務大臣、外務省及び外務省令」を「主務大臣は、次のとおり」に改め、同条に次の各号及び二項を加える。
一 管理業務に関する事項(次号に掲げるものを除く。)については、外務大臣
二 管理業務のうち有償資金協力業務に係る財務及び会計に関する事項については、外務大臣及び財務大臣
三 管理業務以外の業務に関する事項については、外務大臣
2 機構に係る通則法における主務省は、外務省とする。
3 機構に係る通則法における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。
第十九条を第四十三条とする。
第十八条第一項各号を次のように改める。
一 通則法第二十条第二項の規定により監事を任命しようとするとき。
二 第十七条第一項第一号に掲げる業務に関し、第三十一条第一項の規定による承認をしようとするとき。
三 第三十五条第三項の規定による承認をしようとするとき。
第十八条第二項中「関係行政機関の長(」の下に「第一号及び第二号の場合にあっては、」を加え、同項各号中「第三号から第六号まで」を「第四号から第七号まで」に改め、同項に次の一号を加える。
三 第十三条第一項第四号ハの業務に関し、機構が国民等の協力活動を志望するものに委託して行う事業として適当なものを認めようとするとき。
第十八条第三項を次のように改める。
3 外務大臣は、第十三条第一項第二号に規定する業務に関し、第一号から第四号までの場合にあっては財務大臣及び経済産業大臣に、第五号及び第六号の場合にあっては経済産業大臣に協議しなければならない。
一 第十三条第一項第二号の規定により貸付け又は出資を受ける者を指定しようとするとき。
二 第四十条第一項の規定により必要な措置をとることを求めようとするとき。
三 通則法第二十八条第一項の規定による認可をしようとするとき。
四 通則法第二十八条第二項の規定により外務省令を定めようとするとき。
五 通則法第二十九条第一項の規定により中期目標を定め、又は変更しようとするとき。
六 通則法第三十条第一項の規定による認可をしようとするとき。
第十八条に次の一項を加える。
4 外務大臣は、第十三条第一項第二号イの業務に関し、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項(役員及び職員並びに財務及び会計その他の管理業務(次条第一項において「管理業務」という。)に関するものを除く。)について関係行政機関の長の意見を聴かなければならない。
一 通則法第二十九条第一項の規定により中期目標を定め、又は変更しようとするとき 同条第二項第二号、第三号及び第五号に掲げる事項
二 通則法第三十条第一項の規定による認可をしようとするとき 同条第二項第一号、第二号及び第七号に掲げる事項
第十八条を第四十二条とする。
第十七条第一項中「第三号イ及びロ、第四号、第五号」を「第四号イ及びロ、第五号、第六号」に改め、同条を第四十一条とする。
第十六条の見出し中「外務大臣」を「外務大臣等」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、「あったとき」の下に「、又は主務大臣から前項の規定による求めがあったとき」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 主務大臣は、有償資金協力業務に係る財務の状況を著しく悪化させる事態を避けるために緊急の必要があると認めるときは、機構に対し、第四十三条第一項第二号に掲げる事項について必要な措置をとることを求めることができる。
第十六条を第四十条とし、第四章中同条の前に次の二条を加える。
(報告及び検査)
第三十八条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、受託者が委託を受けた業務の範囲内で、当該受託者に対して報告をさせ、又はその職員に、受託者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(権限の委任)
第三十九条 主務大臣は、政令で定めるところにより、通則法第六十四条第一項及び前条第一項の規定による立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することができる。ただし、有償資金協力業務の範囲内に限る。
2 内閣総理大臣は、前項の委任に基づき、通則法第六十四条第一項又は前条第一項の規定により立入検査をしたときは、速やかに、その結果について主務大臣に報告するものとする。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。
4 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第四章を第五章とする。
第三章中第十五条の次に次の一条を加える。
(中期計画の記載事項)
第十六条 機構の通則法第三十条第一項に規定する中期計画に関する同条第二項の規定の適用については、同項中「次に掲げる事項」とあるのは、「次に掲げる事項(有償資金協力業務については、第三号及び第六号に掲げる事項を除く。)」とする。
第三章の次に次の一章を加える。
第四章 財務及び会計
(区分経理)
第十七条 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第十三条に規定する業務(有償資金協力業務を除く。)
二 有償資金協力業務
2 次の各号に掲げる金額に係る経理は、当該各号に定める勘定において行うものとする。
一 附則第二条第六項の規定により機構に出資があったものとされた金額 前項第一号に掲げる業務に係る勘定(以下「一般勘定」という。)
二 改正法附則第二条第五項の規定により機構に出資があったものとされた金額 有償資金協力業務に係る勘定(以下「有償資金協力勘定」という。)
(有償資金協力業務に係る予算)
第十八条 機構は、毎事業年度、有償資金協力業務に係る収入及び支出の予算を作成し、主務大臣を経由して、これを財務大臣に提出しなければならない。
2 前項の収入は、貸付金の利息、出資に対する配当金その他資産の運用に係る収入及び附属雑収入とし、同項の支出は、事務取扱費、業務委託費、通則法第四十五条第一項及びこの法律第三十二条第一項の規定による借入金の利子、同項又は同条第五項の規定により発行する機構債券の利子及び附属諸費とする。
3 財務大臣は、第一項の規定により有償資金協力業務に係る予算の提出を受けたときは、これを検討して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。
4 内閣は、有償資金協力業務に係る予算について、前項の規定による閣議の決定があったときは、その予算を国の予算とともに国会に提出しなければならない。
5 有償資金協力業務に係る予算の形式及び内容については、財務大臣が、主務大臣と協議して定める。
6 有償資金協力業務に係る予算の作成及び提出の手続については、財務大臣が定める。
第十九条 前条の有償資金協力業務に係る予算には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 当該事業年度の有償資金協力業務に係る事業計画及び資金計画に関する書類
二 前々年度の有償資金協力業務に係る損益計算書、貸借対照表及び財産目録
三 前年度及び当該事業年度の有償資金協力業務に係る予定損益計算書及び予定貸借対照表
四 その他当該予算の参考となる書類
(有償資金協力業務に係る予備費)
第二十条 予見し難い事由による支出の予算の不足を補うため、有償資金協力業務に係る予算に予備費を設けることができる。
(有償資金協力業務に係る予算の議決)
第二十一条 有償資金協力業務に係る予算の国会の議決に関しては、国の予算の議決の例による。
(有償資金協力業務に係る予算の通知)
第二十二条 内閣は、有償資金協力業務に係る予算が国会の議決を経たときは、主務大臣を経由して、直ちにその旨を機構に通知するものとする。
2 機構は、前項の規定による通知を受けた後でなければ、当該予算を執行することができない。
3 財務大臣は、第一項の規定による通知があったときは、直ちにその旨を会計検査院に通知しなければならない。
(有償資金協力業務に係る補正予算)
第二十三条 機構は、有償資金協力業務に係る予算の作成後に生じた事由に基づき当該予算に変更を加える必要がある場合には、有償資金協力業務に係る補正予算を作成し、これに当該補正予算の作成により変更した第十九条第一号、第三号及び第四号に掲げる書類(前年度の有償資金協力業務に係る予定損益計算書及び予定貸借対照表を除く。)を添え、主務大臣を経由して財務大臣に提出することができる。ただし、予算の追加に係る補正予算は、当該予算の作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった場合に限り、作成することができる。
2 第十八条第二項から第六項まで及び前二条の規定は、前項の規定による有償資金協力業務に係る補正予算について準用する。
(有償資金協力業務に係る暫定予算)
第二十四条 機構は、必要に応じて、一事業年度のうちの一定期間についての有償資金協力業務に係る暫定予算を作成し、これに有償資金協力業務に係る当該期間の事業計画及び資金計画その他当該暫定予算の参考となる事項に関する書類を添え、主務大臣を経由して財務大臣に提出することができる。
2 第十八条第二項から第六項まで、第二十一条及び第二十二条の規定は、前項の規定による有償資金協力業務に係る暫定予算について準用する。
3 有償資金協力業務に係る暫定予算は、その事業年度の有償資金協力業務に係る予算が成立したときは失効するものとし、有償資金協力業務に係る暫定予算に基づく支出があるときは、これをその事業年度の有償資金協力業務に係る予算に基づいてしたものとみなす。
(有償資金協力業務に係る予算の執行)
第二十五条 機構は、有償資金協力業務に係る支出の予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。
第二十六条 機構は、有償資金協力業務に係る予算で指定する経費の金額については、財務大臣の承認を受けなければ、流用することができない。
2 機構は、前項の規定により承認を受けようとするときは、主務大臣を経由してしなければならない。
3 財務大臣は、前項の承認をしたときは、直ちにその旨を会計検査院に通知しなければならない。
4 財務大臣は、第一項の規定による承認をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に通知しなければならない。
第二十七条 機構は、有償資金協力業務に係る予備費を使用するときは、直ちにその旨を主務大臣を経由して財務大臣に通知しなければならない。
2 財務大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちにその旨を会計検査院に通知しなければならない。
(有償資金協力業務に係る財務諸表等)
第二十八条 機構は、有償資金協力業務に係る財産目録及び貸借対照表(これらの書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして財務大臣が定めるものをいう。以下この項及び第三十条第一項において同じ。)を含む。)を四月から九月まで及び十月から翌年三月までの半期ごとに、有償資金協力業務に係る損益計算書(当該損益計算書に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)をこれらの半期及び事業年度ごとに作成し、これらの書類(以下「財務諸表」という。)に関する監事の意見を付して、当該半期経過後二月以内又は当該事業年度終了後三月以内に、主務大臣を経由して財務大臣に届け出なければならない。
2 機構は、前項の規定による財務諸表の届出をしたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに同項の監事の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
3 機構は、有償資金協力業務に係る決算を完結したときは、遅滞なく、その事業年度の有償資金協力業務に係る業務報告書を、各事務所に備えて置き、財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
4 第二項に規定する附属明細書及び前項に規定する業務報告書に記載すべき事項は、財務省令で定める。
5 有償資金協力業務に係る財務諸表については、通則法第三十八条の規定は、適用しない。
(有償資金協力業務に係る決算)
第二十九条 機構は、毎事業年度の有償資金協力業務に係る決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
第三十条 機構は、有償資金協力業務に係る決算完結後、有償資金協力業務に係る予算の区分に従い、毎事業年度の有償資金協力業務に係る決算報告書(当該決算報告書に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。)を作成し、当該決算報告書に関する監事の意見を付し、かつ、第二十八条第一項の規定により財務大臣に届け出た有償資金協力業務に係る財務諸表を添え、遅滞なく、主務大臣を経由して財務大臣に提出しなければならない。
2 財務大臣は、前項の規定により有償資金協力業務に係る決算報告書及び財務諸表の提出を受けたときは、これを内閣に送付しなければならない。
3 内閣は、前項の規定により有償資金協力業務に係る決算報告書及び財務諸表の送付を受けたときは、翌事業年度の十一月三十日までにこれを会計検査院に送付し、その検査を経て、国の歳入歳出の決算とともに、国会に提出しなければならない。
4 機構は、第一項の規定による有償資金協力業務に係る決算報告書の提出をしたときは、遅滞なく、同項の決算報告書及び監事の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
5 第一項に規定する有償資金協力業務に係る決算報告書の形式及び内容については、財務大臣が定める。
6 第二十八条第五項の規定は、有償資金協力業務に係る決算報告書について準用する。
(利益及び損失の処理の特例等)
第三十一条 機構は、一般勘定について、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち外務大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十七条第一項第一号に掲げる業務の財源に充てることができる。
2 外務大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、外務省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
3 機構は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、一般勘定に係る納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
5 機構は、有償資金協力勘定について、毎事業年度、その損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額を、準備金として、有償資金協力勘定に整理された資本金の額と同額に達するまでは、積み立てなければならない。
6 機構は、有償資金協力勘定について、毎事業年度、その損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による準備金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
7 第五項の準備金は、有償資金協力勘定において生じた損失の補てんに充てる場合を除いては、取り崩してはならない。
8 機構は、第五項の規定による残余の額から同項の規定により準備金として積み立てた額を控除した残額を、翌事業年度の五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。
9 政府は、前項の規定による納付金の一部を、政令で定めるところにより、その事業年度中において概算で納付させることができる。
10 前項に定めるもののほか、第八項の規定による有償資金協力勘定に係る納付金の納付の手続その他納付金に関し必要な事項は、政令で定める。
11 有償資金協力勘定については、通則法第四十四条の規定は、適用しない。
(有償資金協力勘定における長期借入金及び国際協力機構債券)
第三十二条 機構は、有償資金協力業務を行うために必要な資金の財源に充てるため、政府から長期借入金をし、又は国際協力機構債券(以下「機構債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による長期借入金又は機構債券の発行により調達した資金は、有償資金協力勘定に帰属させなければならない。
3 機構は、毎事業年度、政令で定めるところにより、第一項の規定による機構債券の発行に係る基本方針を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
4 機構は、第一項の規定により機構債券を発行したときは、政令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
5 第一項に定めるもののほか、機構は、機構債券を失った者に対し交付するため必要があるときは、政令で定めるところにより、機構債券を発行することができる。
6 第一項又は前項の規定により発行する機構債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
7 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
8 機構は、機構債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行、信託業者又は金融商品取引業(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第八項に規定する金融商品取引業をいう。次項において同じ。)を行う者に委託することができる。
9 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行、信託業者又は金融商品取引業を行う者について準用する。
10 前各項に定めるもののほか、機構債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(有償資金協力勘定における借入金等の限度額)
第三十三条 有償資金協力勘定における通則法第四十五条第一項の規定による短期借入金の現在額、前条第一項の規定による長期借入金の現在額及び同項の規定により発行する機構債券の元本に係る債務の現在額の合計額は、第五条に規定する資本金のうち有償資金協力勘定に区分された額及び第三十一条第五項に規定する準備金の額の合計額の三倍に相当する額を超えてはならない。
2 前項の規定にかかわらず、機構債券について、発行済みのものの借換えのため必要があるときは、一時当該額を超えて機構債券を発行することができる。
(政府保証)
第三十四条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、予算をもって定める金額の範囲内において、第三十二条第一項の規定により発行する機構債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号。以下この条において「外資受入法」という。)第二条の規定により政府が保証契約をすることができる債務を除く。第三項において同じ。)について、保証契約をすることができる。
2 前項の予算をもって定める金額のうち、外国を発行地とする本邦通貨をもって表示する機構債券に係る債務についての金額は、外資受入法第二条第二項に規定する予算をもって定める金額と区別して定めることが困難であるときは、当該金額と合算して定めることができる。
3 政府は、第一項の規定によるほか、機構が第三十二条第五項の規定により発行する機構債券に係る債務について、保証契約をすることができる。
4 国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)第四十五条第一項又は日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)第四十三条第一項に規定する銀行債券のうち外国を発行地とする本邦通貨をもって表示するものに係る債務について予算をもって定める金額が、国際協力銀行法第四十七条第二項又は日本政策投資銀行法第四十五条第二項の規定により外資受入法第二条第二項に規定する予算をもって定める金額と合算して定められる場合には、当該銀行債券に係る債務を政府が外資受入法第二条第二項の規定により保証契約をすることができる債券に係る債務とみなして、第一項及び第二項の規定を適用する。
(資金の交付)
第三十五条 政府は、予算の範囲内において、機構に対し、機構が第十三条第一項第三号イに規定する無償資金協力における贈与(以下この条において「贈与」という。)に充てるために必要な資金を、当該無償資金協力の計画ごとに交付するものとする。
2 機構は、前項の規定により交付を受けた資金を、贈与に充てるための資金として管理しなければならない。
3 機構は、第一項の規定により資金の交付を受けた無償資金協力の計画の完了後においてなお当該資金に残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。ただし、外務大臣の承認を受けたときは、その残余の額の全部又は一部を当該計画が完了した日を含む事業年度の翌事業年度の贈与に充てることができる。
(余裕金の運用の特例)
第三十六条 機構は、通則法第四十七条の規定にかかわらず、次の方法により、有償資金協力勘定に属する業務上の余裕金を運用することができる。
一 財政融資資金への預託
二 日本銀行への預金
三 譲渡性預金証書の保有
四 その他安全かつ効率的なものとして主務大臣の指定する方法
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第三十七条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、第十三条第一項第五号ハの規定により機構が交付する助成金について準用する。この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人国際協力機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人国際協力機構の理事長」と、同法第二条第一項及び第四項、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「独立行政法人国際協力機構」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人国際協力機構の事業年度」と読み替えるものとする。
附則第三条第二項中「場合には」の下に「、第四十三条の規定にかかわらず、機構に係る通則法における主務大臣及び主務省令は」を加え、「第十九条中「外務大臣」とあるのは「外務大臣及び農林水産大臣」と、「外務省令」とあるのは「外務省令・農林水産省令」」を「それぞれ外務大臣及び農林水産大臣並びに外務省令・農林水産省令」に、「同条中「外務大臣」とあるのは「外務大臣及び経済産業大臣」と、「外務省令」とあるのは「外務省令・経済産業省令」」を「それぞれ外務大臣及び経済産業大臣並びに外務省令・経済産業省令」に改め、同条第三項中「第二十三条第一号」を「第十七条第一項第一号及び第四十七条第一号」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、別に法律で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第十九条の改正規定及び同条を第四十三条とする改正規定並びに次条及び附則第八条の規定は公布の日から、附則第十四条の規定は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)の施行の日又は施行日のいずれか遅い日から施行する。
(権利及び義務の承継)
第二条 この法律の施行の時において現に国際協力銀行が有する権利及び義務であって次に掲げるものは、次項の規定により国が承継する資産を除き、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い、その時において独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)が承継する。
一 附則第十一条の規定による改正前の国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号。以下この条から附則第四条まで及び附則第六条において「改正前国際協力銀行法」という。)第二十三条第二項に規定する海外経済協力業務に係る権利及び義務
二 改正前国際協力銀行法第五十六条第一号に規定する役員及び職員その他の管理業務に係る権利及び義務のうち機構が承継することとされたもの
2 前項各号に掲げる業務に係る権利のうち、機構がそれらの業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、この法律の施行の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 第一項の承継計画書は、国際協力銀行が、政令で定める基準に従って作成し、外務大臣及び財務大臣の認可を受けたものでなければならない。
5 第一項の規定により機構が国際協力銀行の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(改正前国際協力銀行法第四十四条第二項の規定により積立金として積み立てられている金額があるときは当該金額を控除した金額とし、同条第三項の規定により繰越欠損金として整理されている金額があるときは当該金額を加算した金額とする。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し追加して出資されたものとする。
6 前項の資産の価額は、施行日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
7 前項の評価委員その他評価に関して必要な事項は、政令で定める。
8 第一項の規定により機構が国際協力銀行の権利及び義務を承継したときは、その承継の際改正前国際協力銀行法第四十四条第二項の規定により積立金として積み立てられている金額又は同条第三項の規定により繰越欠損金として整理されている金額は、この法律による改正後の独立行政法人国際協力機構法(以下この条、次条及び附則第六条において「新法」という。)第十七条第二項第二号に規定する有償資金協力勘定において、それぞれ新法第三十一条第五項の準備金又は同条第六項の繰越欠損金として整理しなければならない。
9 国際協力銀行は、第一項の規定により機構が国際協力銀行の権利及び義務を承継したときは、その承継の際改正前国際協力銀行法第四十一条第一項第二号に掲げる業務に係る勘定に属する資本金の額により資本金を減少するものとする。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第三条 前条第一項の規定により機構が承継する次の各号に掲げる借入金又は債券に係る債務について政府がした当該各号に定める保証契約は、その承継後においても、当該借入金又は債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。
一 改正前国際協力銀行法第四十五条第一項の国際協力銀行債券 改正前国際協力銀行法第四十七条の規定による保証契約
二 改正前国際協力銀行法附則第十五条の規定による廃止前の海外経済協力基金法(昭和三十五年法律第百七十三号。以下この号及び次条において「旧基金法」という。)第二十九条の二第一項の長期借入金及び海外経済協力基金債券 旧基金法第二十九条の四の規定による保証契約
2 前項の銀行債券及び海外経済協力基金債券は、新法第三十二条第六項及び第七項の規定の適用については、同条第一項の規定による機構債券とみなす。
第四条 附則第二条第一項の規定により機構が国際協力銀行の義務を承継したときは、当該承継の時において発行されているすべての改正前国際協力銀行法第四十五条第一項の国際協力銀行債券並びに改正前国際協力銀行法附則第十五条の規定による廃止前の日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号)第三十九条の二第一項の外貨債券等及び旧基金法第二十九条の二第一項の海外経済協力基金債券に係る債務については、機構及び国際協力銀行が連帯して弁済の責めに任ずる。
2 前項の国際協力銀行債券、外貨債券等又は海外経済協力基金債券の債権者は、機構又は国際協力銀行の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
3 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(非課税)
第五条 附則第二条第一項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に伴う登記又は登録については、登録免許税を課さない。
2 附則第二条第一項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。
(処分等の効力)
第六条 施行日前に改正前国際協力銀行法(第十一条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)又は新法中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第七条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第八条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(地方税法の一部改正)
第九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十三条の四第一項第二十五号及び第三百四十八条第二項第二十八号中「第三号イ、ロ若しくはニ又は第四号イ」を「第四号イ、ロ若しくはニ又は第五号イ」に改める。
(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部改正)
第十条 国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項第三号及び第四号を次のように改める。
三 独立行政法人国際協力機構
四 削除
(国際協力銀行法の一部改正)
第十一条 国際協力銀行法の一部を次のように改正する。
第一条中「並びに開発途上にある海外の地域(以下「開発途上地域」という。)の経済及び社会の開発又は経済の安定に寄与するための貸付け等」を削る。
第二条第七号を次のように改める。
七 削除
第五条第一項中「及び第七条第四項」及び「の合計額」を削り、同条第三項後段を削る。
第十条第五項中「主務大臣」を「財務大臣」に改める。
第十四条第二項第一号中「若しくは主務大臣」を削る。
第二十二条を次のように改める。
第二十二条 削除
第二十三条第一項中「(以下「国際金融等業務」という。)」を削り、同条第二項を削る。
第二十四条第一項中「前条第一項第一号」を「前条第一号」に、「開発途上地域」を「開発途上にある海外の地域」に改め、同条第二項中「前条第一項第二号」を「前条第二号」に改め、同条第三項中「前条第一項第三号」を「前条第三号」に改め、同項第一号中「開発途上地域」を「開発途上にある海外の地域」に改め、同条第四項中「前条第一項第四号」を「前条第四号」に改め、同条第五項中「前条第一項第五号」を「前条第五号」に改め、同条第六項中「前条第一項第六号」を「前条第六号」に改め、同条第七項中「前条第一項に」を「前条に」に改め、同項各号中「前条第一項第一号」を「前条第一号」に改め、同条第八項中「前条第一項第八号」を「前条第八号」に、「同項第一号」を「同条第一号」に改める。
第二十五条第三項中「第二十三条第一項」を「第二十三条」に改め、同条第四項中「第二十三条第一項第一号」を「第二十三条第一号」に改め、「第四十一条第一項第一号の業務に係る勘定における」を削り、同条第五項を削る。
第二十六条を次のように改める。
第二十六条 削除
第二十七条第二項中「外務省令・財務省令」を「財務省令」に改める。
第二十八条の見出し中「委託業務」を「委託並びに委託業務」に改める。
第三十条第二項中「同条第八項」を「同条第七項」に改め、同条第六項を削る。
第三十四条第四項を削る。
第三十五条第二項及び第三十六条第二項中「第六項」を「第五項」に改める。
第三十八条第三項、第三十九条第三項及び第四十条第五項を削る。
第四十一条を次のように改める。
第四十一条 削除
第四十三条第六項を削る。
第四十四条第一項中「国際金融等勘定の」及び「国際金融等勘定に整理された」を削り、同条第二項及び第三項を削り、同条第四項中「第一項の準備金又は第二項の積立金」を「前項の準備金」に改め、「その属する勘定において生じた」を削り、同項を同条第二項とし、同条第五項中「、第四十一条第一項各号の業務に係る勘定ごとに」及び「及び第二項の規定による残余の額から同項の規定により積立金として積み立てた額を控除した残額」を削り、同項を同条第三項とし、同条第六項を同条第四項とし、同条第七項中「第五項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とする。
第四十五条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条中第四項を第三項とし、第五項から第十三項までを一項ずつ繰り上げる。
第四十六条第一項中「(以下「借入金等の合計額」という。)」を削り、「次の各号に掲げる額が、それぞれ当該各号に定める」を「第五条に規定する資本金及び第四十四条第一項に規定する準備金の額の合計額の十倍に相当する」に改め、同項各号を削り、同条第三項中「第二十三条第一項」を「第二十三条」に改め、「うち国際金融等勘定に区分された」を削り、「第一項第一号」を「第一項」に改める。
第四十七条第一項中「附則第八条第一項第一号」を「附則第八条第一項」に改め、同条第三項中「第四十五条第八項」を「第四十五条第七項」に改め、同条第四項中「規定する銀行債券」の下に「又は独立行政法人国際協力機構法(平成十四年法律第百三十六号)第三十二条第一項に規定する機構債券」を加え、「同法第四十五条第二項」を「日本政策投資銀行法第四十五条第二項又は独立行政法人国際協力機構法第三十四条第二項」に改める。
第四十八条を次のように改める。
第四十八条 削除
第五十二条、第五十三条第一項並びに第五十三条の二第一項及び第二項中「主務大臣」を「財務大臣」に改める。
第五十五条及び第五十六条を次のように改める。
第五十五条及び第五十六条 削除
第五十九条第一号中「外務大臣の承認又は」を削り、「若しくは」を「又は」に改め、同条第七号中「主務大臣」を「財務大臣」に改める。
附則第八条第一項中「又は第七条第一項」を削り、「次の各号に掲げる借入金又は債券」を「旧輸銀法第三十九条の二第一項の外貨債券等」に、「当該各号に掲げる」を「旧輸銀法第三十九条の三又は外資受入法第二条第二項の規定による」に、「当該借入金又は債券」を「当該債券」に改め、同項各号を削り、同条第二項中「及び海外経済協力基金債券」を削り、「第四十五条第九項及び第十項」を「第四十五条第八項及び第九項」に改める。
(日本政策投資銀行法の一部改正)
第十二条 日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第四十五条第四項中「規定する銀行債券」の下に「又は独立行政法人国際協力機構法(平成十四年法律第百三十六号)第三十二条第一項に規定する機構債券」を加え、「同法第四十七条第二項」を「国際協力銀行法第四十七条第二項又は独立行政法人国際協力機構法第三十四条第二項」に改める。
(沖縄振興特別措置法の一部改正)
第十三条 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第八十七条中「第十三条第一項第三号」を「第十三条第一項第四号」に改める。
(独立行政法人国際協力機構法の一部改正)
第十四条 独立行政法人国際協力機構法の一部を次のように改正する。
第三十二条第七項中「民法」の下に「(明治二十九年法律第八十九号)」を加える。
(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第十五条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を次のように改正する。
第二百四十七条のうち独立行政法人国際協力機構法第十三条第一項第三号の改正規定中「第十三条第一項第三号」を「第十三条第一項第四号」に改める。
第二百六十条のうち国際協力銀行法第四十五条第十項の改正規定中「第四十五条第十項」を「第四十五条第九項」に改める。
理 由
政府開発援助をより効果的かつ効率的に実施するため、独立行政法人国際協力機構について、国際協力銀行の海外経済協力業務を同銀行から移管するとともに、無償の資金供与による協力の実施に関する業務を新たに追加する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
以上
以上
第一六四回
閣第八四号
信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(旧信託法の一部改正)
第一条 信託法(大正十一年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
公益信託ニ関スル法律
第一条及び第二条を次のように改める。
第一条 信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第二百五十八条第一項ニ規定スル受益者ノ定ナキ信託ノ内学術、技芸、慈善、祭祀、宗教其ノ他公益ヲ目的トスルモノニシテ次条ノ許可ヲ受ケタルモノ(以下公益信託ト謂フ)ニ付テハ本法ノ定ムル所ニ依ル
第二条 信託法第二百五十八条第一項ニ規定スル受益者ノ定ナキ信託ノ内学術、技芸、慈善、祭祀、宗教其ノ他公益ヲ目的トスルモノニ付テハ受託者ニ於テ主務官庁ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
公益信託ノ存続期間ニ付テハ信託法第二百五十九条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第三条から第六十六条までを削る。
第六十七条を第三条とし、第六十八条を削る。
第六十九条第二項中「受託者」を「公益信託ノ受託者」に改め、同条を第四条とする。
第七十条中「条項ノ変更ヲ為ス」を「変更ヲ命ズル」に改め、同条に次の一項を加える。
公益信託ニ付テハ信託法第百五十条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第七十条を第五条とし、同条の次に次の一条を加える。
第六条 公益信託ニ付信託ノ変更(前条ノ規定ニ依ルモノヲ除ク)又ハ信託ノ併合若ハ信託ノ分割ヲ為スニハ主務官庁ノ許可ヲ受クルコトヲ要ス
第七十一条を第七条とし、同条の次に次の一条を加える。
第八条 公益信託ニ付テハ信託法第二百五十八条第一項ニ規定スル受益者ノ定ナキ信託ニ関スル同法ニ規定スル裁判所ノ権限(次ニ掲グル裁判ニ関スルモノヲ除ク)ハ主務官庁ニ属ス但シ同法第五十八条第四項(同法第七十条(同法第七十四条第六項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及第百二十八条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第六十二条第四項(同法第百二十九条第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第六十三条第一項、第七十四条第二項及第百二十三条第四項ニ規定スル権限ニ付テハ職権ヲ以テ之ヲ行フコトヲ得
一 信託法第百五十条第一項ノ規定ニ依ル信託ノ変更ヲ命ズル裁判
二 信託法第百六十六条第一項ノ規定ニ依ル信託ノ終了ヲ命ズル裁判、同法第百六十九条第一項ノ規定ニ依ル保全処分ヲ命ズル裁判及同法第百七十三条第一項ノ規定ニ依ル新受託者ノ選任ノ裁判
三 信託法第百八十条第一項ノ規定ニ依ル鑑定人ノ選任ノ裁判
四 信託法第二百二十三条ノ規定ニ依ル書類ノ提出ヲ命ズル裁判
五 信託法第二百三十条第二項ノ規定ニ依ル弁済ノ許可ノ裁判
第七十二条を削る。
第七十三条中「終了」を「ノ終了」に、「信託財産ノ帰属権利者ナキ」を「帰属権利者ノ指定ニ関スル定ナキトキ又ハ帰属権利者ガ其ノ権利ヲ放棄シタル」に改め、同条を第九条とする。
第七十四条を第十条とし、第七十五条を第十一条とし、同条の次に次の一条を加える。
第十二条 公益信託ノ受託者、信託財産管理者、民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条ニ規定スル仮処分命令ニ依リ選任セラレタル受託者ノ職務ヲ代行スル者、信託財産法人管理人、信託管理人又ハ検査役ハ次ニ掲グル場合ニ於テハ百万円以下ノ過料ニ処ス
一 第四条第二項ノ規定ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
二 第六条又ハ第七条ノ規定ニ違反シタルトキ
三 本法ノ規定ニ依ル主務官庁ノ命令又ハ処分ニ違反シタルトキ
(旧信託法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 契約によってされた信託で信託法(平成十八年法律第▼▼▼号。以下「新信託法」という。)の施行の日(以下「施行日」という。)前にその効力が生じたものについては、信託財産に属する財産についての対抗要件に関する事項を除き、なお従前の例による。遺言によってされた信託で施行日前に当該遺言がされたものについても、同様とする。
(新法の適用等)
第三条 前条の規定によりなお従前の例によることとされる信託については、信託行為の定めにより、又は委託者、受託者及び受益者(第一条の規定による改正前の信託法(以下「旧信託法」という。)第八条第一項に規定する信託管理人が現に存する場合にあっては、当該信託管理人)の書面若しくは電磁的記録(新信託法第三条第三号に規定する電磁的記録をいう。)による合意によって適用される法律を新法(新信託法及びこの法律の規定による改正後の法律をいう。以下同じ。)とする旨の信託の変更をして、これを新法の規定の適用を受ける信託(以下「新法信託」という。)とすることができる。
2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者、受託者及び受益者」とあるのは、「受託者及び受益者」とする。
3 受益者が現に存しない場合(旧信託法第八条第一項に規定する信託管理人が現に存する場合を除く。)における第一項の規定の適用については、同項中「委託者、受託者及び受益者(第一条の規定による改正前の信託法(以下「旧信託法」という。)第八条第一項に規定する信託管理人が現に存する場合にあっては、当該信託管理人)」とあるのは、「委託者及び受託者」とする。
4 委託者及び受益者が現に存しない場合(旧信託法第八条第一項に規定する信託管理人が現に存する場合を除く。)には、第一項の規定は、適用しない。
第四条 新法信託においては、新法の規定は、この法律に別段の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、旧法(この法律の規定による改正前の法律をいう。次条第一項において同じ。)の規定によって生じた効力を妨げない。
2 第二条、第三十条第一項又は第五十六条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる信託(以下この条、次条及び第六条第一項において「旧法信託」という。)が新法信託となった場合には、前項本文の規定にかかわらず、新法信託となる前にされた信託の詐害行為取消権(民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条の規定による取消権をいう。)による取消し及びその否認については、なお従前の例による。
3 旧法信託が新法信託となった場合には、第一項本文の規定にかかわらず、受託者の債務であって新法信託となる前の原因によって生じたもののうち信託財産に属する財産をもって履行する責任を負うものの範囲については、なお従前の例による。
4 旧法信託が新法信託となった場合には、第一項本文の規定にかかわらず、新法信託となる前に受託者に対する債務の負担の原因が生じた場合及び新法信託となる前に受託者に対して債務を負担する者につき受託者に対する債権の取得の原因が生じた場合における相殺の制限については、なお従前の例による。
第五条 旧法信託が新法信託となった場合には、施行日前にした旧法の規定による処分、手続その他の行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした旧法の規定による処分、手続その他の行為は、この法律に別段の定めがある場合を除き、新法の相当規定によってしたものとみなす。
2 旧法信託が新法信託となった場合には、当該信託が新法信託となった日前に旧信託法第三十一条本文の規定により生じた取消権の消滅については、なお従前の例による。
3 旧法信託が新法信託となった場合には、旧信託法第八条第一項の規定により選任された信託管理人は、新信託法の相当規定により、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものに選任されたものとみなす。
一 受益者が現に存しない場合 信託管理人
二 受益者が現に存する場合 受益者代理人
4 旧法信託が新法信託となった場合には、新法信託となった際現に旧信託法第四十八条の規定により選任された信託財産の管理人がある場合には、当該信託財産の管理人は、遅滞なく、新信託法第六十三条第一項に規定する信託財産管理命令の申立てをしなければならない。
5 前項に規定する信託財産の管理人は、新信託法第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任されるまで引き続きその職務を行うものとする。
第六条 旧法信託のうち、旧信託法第六十六条に規定する公益信託については、第三条の規定にかかわらず、主務官庁は、信託の本旨に反しない限り、適用される法律を新法とする旨の信託の変更を命じて、これを新法信託とすることができる。
2 前項の規定により新法信託とされた公益信託における前条(第三項第二号を除く。)の規定の適用については、同条第四項中「当該信託財産の管理人」とあるのは「当該主務官庁」と、「新信託法第六十三条第一項に規定する信託財産管理命令の申立てをしなければ」とあるのは「公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第八条及び新信託法第六十四条第一項の規定により信託財産管理者を選任しなければ」とする。
(非訟事件手続法の一部改正)
第七条 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
目次中
「 | 第二章 信託ニ関スル事件(第七十一条ノ二―第七十一条ノ八) | |
第三章 裁判上ノ代位ニ関スル事件(第七十二条―第七十九条) | 」 |
を「第二章 裁判上ノ代位ニ関スル事件(第七十二条―第七十九条)」に、「第四章」を「第三章」に、「第五章」を「第四章」に改める。
第二編第二章を削る。
第二編第三章を同編第二章とする。
第八十二条中「第七十一条ノ四、第七十一条ノ五第二項並ニ」を削り、同条ただし書中「民法」を「同法」に改め、同条に第一項から第三項までとして次の三項を加える。
裁判所ハ前条ノ保管者ヲ改任スルコトヲ得
前条ノ保管者ハ其任務ヲ辞セントスルトキハ裁判所ニ其旨ヲ届出ヅベシ此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ更ニ保管者ヲ選任スベシ
前条ノ保管者ノ選任又ハ改任ノ裁判ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ズ
第二編第四章を同編第三章とする。
第百二十四条中「商業登記法」の下に「(昭和三十八年法律第百二十五号)」を加える。
第二編第五章を同編第四章とする。
(非訟事件手続法の一部改正に伴う経過措置)
第八条 この法律の規定によりなお従前の例によることとされる信託に関する非訟事件の手続については、なお従前の例による。
(商法の一部改正)
第九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第七条中「第二十六条」を「第二十二条」に改める。
第五百二条に次の一号を加える。
十三 信託の引受け
(担保付社債信託法の一部改正)
第十条 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。
目次中
「 | 第六章 社債権者集会(第三十一条―第六十七条) | |
第七章 信託契約ノ効力(第六十八条―第九十六条) | ||
第八章 信託事務ノ承継及終了(第九十七条―第百七条) | ||
第九章 罰則(第百八条―第百十一条) | 」 |
を
「 | 第六章 社債権者集会(第三十一条―第三十四条) | |
第七章 信託契約の効力等(第三十五条―第四十九条) | ||
第八章 信託事務の承継及び終了(第五十条―第五十八条) | ||
第九章 雑則(第五十九条―第六十七条) | ||
第十章 罰則(第六十八条―第七十条) | 」 |
に改める。
第一章を次のように改める。
第一章 総則
(定義)
第一条 この法律において「信託会社」とは、第三条の内閣総理大臣の免許を受けた会社をいう。
(信託契約)
第二条 社債に担保を付そうとする場合には、担保の目的である財産を有する者と信託会社との間の信託契約(以下単に「信託契約」という。)に従わなければならない。この場合において、担保の目的である財産を有する者が社債を発行しようとする会社又は発行した会社(以下「発行会社」と総称する。)以外の者であるときは、信託契約は、発行会社の同意がなければ、その効力を生じない。
2 前項の場合において、信託会社は、社債権者のために社債の管理をしなければならない。
3 第一項の場合には、会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百二条の規定は、適用しない。
(免許)
第三条 担保付社債に関する信託事業は、内閣総理大臣の免許を受けた会社でなければ、営むことができない。
第四条 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号。以下「兼営法」という。)第一条第一項の認可を受けた金融機関(社債の管理の受託業務及び担保権に関する信託業務を営むものに限る。)又は信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条若しくは第五十三条第一項の免許を受けた者は、前条の免許を受けたものとみなす。
(業務の範囲)
第五条 信託会社は、担保付社債に関する信託事業のほか、次に掲げる業務を行うことができる。
一 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十条及び第十一条に規定する銀行の業務並びに同法第十二条に規定する銀行の業務(同条に規定するその他の法律により銀行の営む業務に限る。)
二 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第六条に規定する長期信用銀行の業務及び同法第六条の二に規定する長期信用銀行の業務(同条に規定するその他の法律により長期信用銀行の営む業務に限る。)
三 農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第五十四条(第四項第九号を除く。)に規定する農林中央金庫の業務
四 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)第二十八条、第二十八条ノ三から第二十八条ノ六まで、第二十八条ノ七(第一項第二号を除く。)及び第三十条に規定する商工組合中央金庫の業務
五 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の八(第九項第二号を除く。)に規定する信用協同組合の業務又は同法第九条の九に規定する協同組合連合会の業務(同条第六項第五号に掲げる事業(同法第九条の八第九項第二号に掲げる業務に限る。)を除く。)
六 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十三条(第八項第二号を除く。)に規定する信用金庫の業務又は同法第五十四条(第七項第二号を除く。)に規定する信用金庫連合会の業務
七 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第五十八条の二(第五項第二号を除く。)に規定する労働金庫連合会の業務
八 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条(第九項第二号を除く。)に規定する農業協同組合又は農業協同組合連合会の業務
九 保険業法(平成七年法律第百五号)第九十七条、第九十八条、第九十九条(第二項第二号を除く。)及び第百条に規定する保険会社の業務又は同法第百九十九条において準用する同法第九十七条、第九十八条、第九十九条第一項、第二項(第二号を除く。)及び第四項から第六項まで並びに第百条に規定する外国保険会社等の業務
十 兼営法第一条第一項に規定する信託業務を営む金融機関の業務
十一 信託業法第二十一条第一項に規定する信託会社の業務
十二 前各号に掲げるもののほか、政令で定める業務
(資本金等の額)
第六条 信託会社の資本金の額又は出資の総額は、千万円を下回ってはならない。
(出資の払込金額)
第七条 信託会社が合名会社又は合資会社であるときは、出資の払込金額が五百万円に達するまで、担保付社債に関する信託事業に着手してはならない。
(信託業法の準用)
第八条 信託業法第十五条、第二十二条から第二十四条まで、第二十八条第三項及び第二十九条の規定は、信託会社(第四条の規定により第三条の免許を受けたものとみなされる者及び同法第七条第一項又は第五十四条第一項の登録を受けた者を除く。)が担保付社債に関する信託事業を営む場合について準用する。
(信託会社の監督)
第九条 信託会社が営む担保付社債に関する信託業務は、内閣総理大臣の監督に属する。
(立入検査等)
第十条 内閣総理大臣は、信託会社の信託事業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該信託会社に対し当該信託会社の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該信託会社の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(業務の停止等)
第十一条 内閣総理大臣は、信託会社の業務又は財産の状況に照らして、当該信託会社の信託事業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該信託会社に対し、その必要の限度において、期限を付して当該信託会社の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は業務執行の方法の変更その他監督上必要な措置を命ずることができる。
(免許の取消し等)
第十二条 内閣総理大臣は、信託会社が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき、又は公益を害する行為をしたときは、当該信託会社に対し、その業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役、執行役若しくは監査役の解任を命じ、又は第三条の免許を取り消すことができる。
(免許の取消しによる解散)
第十三条 担保付社債に関する信託事業を専ら営む信託会社(次条から第十六条までにおいて「担保付社債専業信託会社」という。)は、前条の規定による免許の取消しによって解散する。
第十四条 担保付社債専業信託会社が前条の規定により解散したときは、内閣総理大臣は、利害関係人の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。
(清算人の任免)
第十五条 担保付社債専業信託会社に係る会社法第四百七十八条第二項から第四項まで、第四百七十九条第二項、第六百四十七条第二項から第四項まで又は第六百四十八条第三項に規定する清算人の選任又は解任は、内閣総理大臣が行う。
2 会社法第四百七十九条第二項の規定による申立ては、委託者、発行会社又は社債権者集会(担保付社債の社債権者集会をいう。以下同じ。)も行うことができる。
(清算の監督)
第十六条 担保付社債専業信託会社の清算は、内閣総理大臣の監督に属する。
2 内閣総理大臣は、前項の監督上必要があると認めるときは、当該職員に当該担保付社債専業信託会社の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 第十条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
(外国会社)
第十七条 会社が外国において担保付社債を発行しようとするときは、担保の目的である財産を有する者は、内閣総理大臣の許可を受けて、外国会社と信託契約を締結することができる。
2 前項の規定により信託を引き受けた外国会社が日本に支店を有しないときは、当該外国会社は、日本における代表者を定めなければならない。
3 法人は、前項の日本における代表者となることができる。
4 第二項の規定により同項の外国会社が日本における代表者を定めたときは、遅滞なく、その氏名又は名称及び住所を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5 外国会社の日本における代表者は、信託事務に関しては、信託会社の取締役若しくは執行役又は信託会社を代表する社員と同一の権限を有する。
第二十条第二項第四号中「いう。」の下に「第五十九条を除き、」を加える。
第三十二条第一号中「第七十五条第一項」を「第四十一条」に改め、同条第二号中「第七十六条第一項」を「第四十二条において準用する第四十一条」に改める。
第三十五条から第六十七条までを削る。
第七章から第九章までの章名を削る。
第三十四条の次に次の三章及び章名を加える。
第七章 信託契約の効力等
(受託会社の担保付社債の管理に関する権限等)
第三十五条 受託会社は、担保付社債の管理に関しては、この法律に特別の定めがある場合を除き、社債管理者と同一の権限を有し、義務を負う。
(受託会社の担保権の管理又は処分に関する義務)
第三十六条 受託会社は、総社債権者のために、信託契約による担保権を保存し、かつ、実行する義務を負う。
(社債権者の権利等)
第三十七条 社債権者は、その債権額に応じて、平等に担保の利益を享受する。
2 信託契約による担保権は、総社債権者のためにのみ行使することができる。
(信託契約による担保権の効力)
第三十八条 信託契約による担保権は、社債の成立前においても、その効力を生ずる。
(信託契約による担保権に関する民法等の規定の適用除外)
第三十九条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百四十八条及び第三百七十六条(抵当権又はその順位の譲渡及び放棄に関する部分を除く。)並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十五条の規定は、信託契約による担保権については、適用しない。
2 民法第三百五十条において準用する同法第二百九十八条第三項の規定は、信託契約による質権については、適用しない。
3 民法第三百五十四条の規定は、信託契約による動産質権については、適用しない。
4 前三項の規定にかかわらず、信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
(担保の追加)
第四十条 担保付社債に係る担保の追加は、受託会社及び委託者の合意による信託の変更により、することができる。
(担保の変更)
第四十一条 担保付社債に係る担保の変更は、受託会社、委託者及び受益者である社債権者の合意による信託の変更により、することができる。
2 前項の合意に係る受益者の意思決定は、社債権者集会の決議による。
3 前二項の規定にかかわらず、担保の変更後における担保の価額が未償還の担保付社債の元利金を担保するのに足りるときは、担保付社債に係る担保の変更は、受託会社及び委託者の合意により、することができる。
4 受託会社は、前項の規定により担保付社債に係る担保の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にその旨を通知しなければならない。
(担保権の順位の変更等)
第四十二条 前条の規定は、担保付社債に係る担保権の順位の変更又は担保権若しくはその順位の譲渡若しくは放棄について準用する。
(担保権の実行の義務等)
第四十三条 担保付社債が期限が到来しても弁済されず、又は発行会社が担保付社債の弁済を完了せずに解散したときは、受託会社は、遅滞なく、担保付社債に係る担保権の実行その他の必要な措置をとらなければならない。
2 受託会社は、総社債権者のために、当該受託会社に付与された執行力のある債務名義の正本に基づき担保物について強制執行をし、担保権の実行の申立てをし、又は企業担保権の実行の申立てをすることができる。
3 前項の場合において、債権者に対する異議は、受託会社に対して主張することができる。
(弁済を受けた受託会社の義務)
第四十四条 受託会社は、社債権者のために弁済を受けた場合には、遅滞なく、その受領した財産(当該財産の換価をした場合におけるその換価代金を含む。)を、債権額に応じて各社債権者に交付しなければならない。
2 民法第六百四十七条の規定は、受託会社が前項の財産を自己のために消費した場合について準用する。
3 社債権者を確知することができないとき、又は社債権者が受領を拒み、若しくは受領することができないときは、受託会社は、その社債権者のために第一項の財産を供託しなければならない。
(特別代理人の選任)
第四十五条 次に掲げる場合には、裁判所は、社債権者集会の申立てにより、特別代理人を選任することができる。
一 受託会社が総社債権者のためにすべき信託事務の処理及び担保付社債の管理を怠っているとき。
二 社債権者と受託会社との利益が相反する場合において、受託会社が総社債権者のために信託事務の処理及び担保付社債の管理に関する裁判上又は裁判外の行為をする必要があるとき。
2 前項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。
3 第一項の規定による特別代理人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
4 第一項の申立てに係る非訟事件は、発行会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
5 第一項の規定による非訟事件については、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第十五条の規定は、適用しない。
(受託会社等の行為の方式)
第四十六条 受託会社又は前条第一項の特別代理人がこの法律の規定により総社債権者のために裁判上又は裁判外の行為をする場合には、個別の社債権者を表示することを要しない。
(受託会社の報酬)
第四十七条 受託会社は、信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第五十四条及び会社法第七百四十一条第一項の規定にかかわらず、委託者又は発行会社に対し、信託事務の処理及び担保付社債の管理について相当の報酬を請求することができる。ただし、信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 民法第六百四十八条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により委託者又は発行会社から受ける受託会社の報酬について準用する。ただし、信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
3 会社法第七百四十一条第三項の規定は、第一項の規定により委託者又は発行会社から受ける受託会社の報酬については、適用しない。
(受託会社の費用等)
第四十八条 委託者又は発行会社は、信託法第四十八条第一項本文及び第五十三条第一項本文並びに会社法第七百四十一条第一項の規定にかかわらず、受託会社が信託事務の処理及び担保付社債の管理をするのに必要と認められる費用として正当に支出した一切の費用及び支出の日以後におけるその利息を償還し、並びに受託会社が自己の過失なく受けた一切の損害を賠償する義務を負う。ただし、信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 受託会社は、信託法第四十八条第二項本文の規定にかかわらず、信託事務の処理及び担保付社債の管理をするについて要する費用の前払を委託者又は発行会社に請求することができる。ただし、信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
3 会社法第七百四十一条第三項の規定は、第一項の費用及びその利息の償還並びに損害の賠償については、適用しない。
4 信託契約による担保権は、第一項の規定により受託会社に生ずる債権のためにも、その効力を有する。
5 受託会社は、前項の債権について、社債権者に優先して担保物から弁済を受ける権利を有する。
(担保物の保管の状況の検査)
第四十九条 委託者、代表社債権者又は担保付社債の総額(償還済みの額を除く。)の十分の一以上に当たる担保付社債を有する社債権者は、いつでも、受託会社による担保物の保管の状況を検査することができる。
2 無記名式の担保付社債券を有する者は、これを受託会社に提示しなければ、前項の検査をすることができない。
第八章 信託事務の承継及び終了
(受託会社の辞任)
第五十条 受託会社についての信託法第五十七条の規定の適用については、同条第一項中「及び受益者」とあるのは、「、発行会社及び社債権者集会」とする。
2 受託会社は、前項の規定により読み替えて適用する信託法第五十七条第一項の規定により辞任するときは、信託事務を承継する会社を定めなければならない。
3 第十七条第一項の規定は、信託事務を承継する会社が外国会社である場合について準用する。
(受託会社の解任)
第五十一条 受託会社についての信託法第五十八条の規定の適用については、同条第一項中「及び受益者」とあるのは「、発行会社及び社債権者集会」と、同条第二項中「及び受益者が」とあるのは「、発行会社及び社債権者集会が」と、「及び受益者は」とあるのは「及び発行会社は」と、同条第四項中「違反して信託財産に著しい損害を与えたこと」とあるのは「違反したとき、信託事務の処理若しくは担保付社債の管理に不適任であるとき」と、同項及び同条第七項中「又は受益者」とあるのは「、発行会社又は社債権者集会」とする。
(内閣総理大臣の権限)
第五十二条 内閣総理大臣は、受託会社に係る第三条の免許が第十二条の規定による取消しその他の事由によりその効力を失ったときは、信託法第五十八条第四項、第六十二条第四項又は第六十三条第一項の規定による申立てをすることができる。
(信託事務の承継)
第五十三条 第五十条第二項の規定による信託事務の承継は、委託者、受託会社であった者(以下「前受託会社」という。)及び信託事務を承継する会社(以下「新受託会社」という。)がその契約書を作成することによって、その効力を生ずる。
2 前項の契約書は、電磁的記録をもって作成することができる。
3 第一項の契約書を書面をもって作成する場合には、当該書面には、委託者(委託者が法人である場合にあっては、その代表者)並びに前受託会社及び新受託会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。
4 第一項の契約書を電磁的記録をもって作成する場合には、当該電磁的記録には、委託者(委託者が法人である場合にあっては、その代表者)並び前受託会社及び新受託会社の代表者が内閣府令・法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
(承継の公告等)
第五十四条 信託事務の承継がされたときは、発行会社及び新受託会社は、遅滞なく、各自、その旨を公告し、かつ、知れている社債権者には、各別にこれを通知しなければならない。
(新受託会社の権利義務等)
第五十五条 社債権者、委託者又は発行会社のために前受託会社に帰属していた権利義務は、前受託会社の辞任、解任、免許の取消し又は解散の時にさかのぼって、新受託会社に移転する。ただし、前受託会社の契約違反又は不法行為によって生じた責任は、この限りでない。
(書類の移管等)
第五十六条 前受託会社の取締役(委員会設置会社にあっては、執行役)、これを代表する社員、清算人又は破産管財人は、遅滞なく、その委託者、発行会社又は社債権者のために保管する物及び信託事務に関する書類を新受託会社に移管し、その他信託事務を新受託会社に引き継ぐために必要な一切の行為をしなければならない。
(承継に関する事務の監督)
第五十七条 信託事務の承継に関する事務は、内閣総理大臣の監督に属する。
2 内閣総理大臣は、前項の監督上必要があると認めるときは、当該職員に当該前受託会社若しくは新受託会社の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 第十条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
(信託事務の終了)
第五十八条 受託会社が信託事務を終了したときは、総計算書を作成し、これを公告しなければならない。
2 前項の総計算書は、電磁的記録をもって作成することができる。
第九章 雑則
(公告)
第五十九条 この法律の規定による公告(次条の規定による公告を除く。)は、発行会社における公告の方法によりしなければならない。ただし、その公告をすべき者が発行会社以外の者である場合において、その方法が電子公告(公告の方法のうち、電磁的方法(会社法第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって同号に規定するものをとる方法をいう。)であるときは、その公告は、官報に掲載する方法でしなければならない。
(監督処分の公告)
第六十条 内閣総理大臣は、第十一条若しくは第十二条の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は同条の規定により第三条の免許を取り消したときは、その旨を公告しなければならない。
(担保権の設定の登記の登記権利者)
第六十一条 信託契約による担保権の設定の登記については、受託会社を登記権利者とする。
(担保権の設定の登記における債権額の記載等)
第六十二条 信託契約による担保権の設定の登記においては、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第八十三条第一項第一号に掲げる債権額は、担保付社債の総額を記録すれば足りる。
2 前項の登記において、担保付社債の総額を数回に分けて発行するときは、不動産登記法第八十三条第一項第一号、第八十八条及び第九十五条の規定にかかわらず、担保付社債の総額、担保付社債の総額を数回に分けて発行する旨及び担保付社債の利率の最高限度のみを被担保債権に係る登記事項とする。
3 前二項に規定する事項は、第一項の登記の申請情報の内容とする。
(分割発行の場合の社債発行に関する登記)
第六十三条 担保付社債の総額を数回に分けて発行する場合において、担保付社債を発行したときは、その回の担保付社債の金額の合計額について発行の完了した日から二週間以内に、その回の担保付社債の金額の合計額及び当該担保付社債に関する第十九条第一項第四号に掲げる事項を登記しなければならない。
2 担保付社債の総額を数回に分けて発行する場合において、外国において担保付社債を発行した場合であって、登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が到達した時から起算する。
3 第一項の登記は、担保付社債を担保する権利の登記に付記して行う。
(不動産登記法の適用除外)
第六十四条 不動産登記法第四章第三節第五款の規定は、信託契約による登記には、適用しない。
(財務大臣への資料提出等)
第六十五条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、担保付社債に関する信託事業に係る制度の企画又は立案をするため必要と認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、担保付社債に関する信託事業に係る制度の企画又は立案をするため特に必要と認めるときは、その必要の限度において、信託会社に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
(権限の委任)
第六十六条 内閣総理大臣は、この法律による権限(次に掲げるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
一 第三条の免許
二 第十二条の規定による免許の取消し
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(内閣府令への委任)
第六十七条 この法律に定めるもののほか、免許の申請、届出その他この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令で定める。
第十章 罰則
第六十八条から第七十条までを次のように改める。
第六十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条の規定に違反して、免許を受けないで担保付社債に関する信託事業を営んだ者
二 第八条において準用する信託業法第十五条の規定に違反して、他人に担保付社債に関する信託事業を営ませた者
2 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第八条において準用する信託業法第二十四条第一項第一号、第三号又は第四号の規定に違反して、これらの規定に掲げる行為をした者
二 第八条において準用する信託業法第二十九条第二項の規定に違反した者
3 第八条において準用する信託業法第二十九条第三項の規定による書面を交付せず、又は虚偽の書面を交付した者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第六十九条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により法人でない社団又は財団を処罰する場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第七十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、委託者(委託者が法人であるときは、その事業を執行する社員、理事、取締役、執行役、清算人その他法人の業務を執行する者)若しくはその破産管財人、受託会社若しくは発行会社の業務を執行する社員、取締役、執行役、清算人若しくは破産管財人、代表社債権者、第四十五条第一項の特別代理人又は外国会社の代表者を百万円以下の過料に処する。
一 この法律に定める届出、公告若しくは通知をせず、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
二 この法律の規定に違反して、正当な理由なく、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を内閣府令・法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。
三 この法律により備え置くべき書類又は電磁的記録を備え置かず、これらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
四 この法律の規定による内閣総理大臣の命令に違反したとき。
五 この法律の規定による内閣総理大臣の検査を妨げたとき。
六 社債権者集会の決議によるべき場合において、これによらず、又はこれに違反したとき。
七 社債権者集会又は代表社債権者に対して報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
八 第五条の規定に違反したとき。
九 第七条の規定に違反したとき。
十 第十七条第一項(第五十条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
十一 第二十六条の規定に違反して、担保付社債券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
十二 第二十七条第一項に規定する手続を行わないで担保付社債券を交付したとき。
十三 第二十九条の規定に違反して、社債原簿の写しを提出せず、若しくは提供せず、又は社債原簿の写しに虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
十四 第三十六条の規定による担保権の保存又は実行を怠ったとき。
十五 第四十四条第一項又は第三項の規定に違反したとき。
十六 第四十九条第一項の規定による検査を妨げたとき。
十七 第五十六条の規定による事務の引継ぎを怠ったとき。
十八 第六十三条の規定による登記をすることを怠ったとき。
第七十一条から第百十一条までを削る。
第百十二条から第百十九条ノ五までを削り、第百二十条の条名を削る。
(担保付社債信託法の一部改正に伴う経過措置)
第十一条 この法律の施行の際現に前条の規定による改正前の担保付社債信託法(以下この条において「旧担保付社債信託法」という。)第五条第一項の規定により免許を受けた会社は、前条の規定による改正後の担保付社債信託法(以下この条において「新担保付社債信託法」という。)第六条に規定する資本金の額若しくは出資の総額又は新担保付社債信託法第七条に規定する出資の払込金額に満たない場合であっても、施行日から六月間(当該期間内に新担保付社債信託法第十二条の規定によりその免許を取り消されたときは、当該取消しの日までの間)は、これらの規定にかかわらず、引き続き担保付社債に関する信託事業を営むことができる。
2 施行日前に旧担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約によってした信託については、担保付社債信託法第一条に規定する信託会社は、社債権者集会の決議によって適用される法律を新法とする旨の信託の変更をして、これを新法信託とすることができる。
3 旧担保付社債信託法第三十一条、第三十二条及び第三十四条の規定は、前項の規定により同項の信託を新法信託としようとする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 施行日前にした旧担保付社債信託法の規定による処分、手続その他の行為は、この法律に別段の定めがある場合を除き、新担保付社債信託法の相当規定によってしたものとみなす。
(鉄道抵当法の一部改正)
第十二条 鉄道抵当法(明治三十八年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第三十条ノ二第二項中「第百十九条ノ二」を「第六十三条」に改める。
(商工組合中央金庫法の一部改正)
第十三条 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第二十八条ノ六第一項に次の一号を加える。
六 信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第三条第三号ニ掲グル方法ニ依ル信託ニ係ル事務ニ関スル業務ヲ為スコト
第二十八条ノ六に次の一項を加える。
商工組合中央金庫ハ第一項第六号ノ業務ニ関シテハ信託業法(平成十六年法律第百五十四号)ノ適用ニ付テハ政令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ会社ト看做ス
第二十九条第一項第三号中「金融機関ノ信託業務ノ兼営等ニ関スル法律」を「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に改める。
(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律の一部改正)
第十四条 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)の一部を次のように改正する。
次の題名を付する。
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律
題名の次に次の目次及び章名を付する。
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 業務(第四条―第六条)
第三章 監督(第七条―第十二条)
第四章 雑則(第十三条―第十五条)
第五章 罰則(第十六条―第二十三条)
附則
第一章 総則
第一条から第三条までを次のように改める。
(兼営の認可)
第一条 銀行その他の金融機関(政令で定めるものに限る。以下「金融機関」という。)は、他の法律の規定にかかわらず、内閣総理大臣の認可を受けて、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する信託業及び次に掲げる業務(政令で定めるものを除く。以下「信託業務」という。)を営むことができる。
一 信託業法第二条第八項に規定する信託契約代理業
二 信託業法第二条第十項に規定する信託受益権販売業(次条第三項において「信託受益権販売業」という。)
三 財産の管理(受託する信託財産と同じ種類の財産について、次項の信託業務の種類及び方法に規定する信託財産の管理の方法と同じ方法により管理を行うものに限る。)
四 財産に関する遺言の執行
五 会計の検査
六 財産の取得、処分又は貸借に関する代理又は媒介
七 次に掲げる事項に関する代理事務
イ 第三号に掲げる財産の管理
ロ 財産の整理又は清算
ハ 債権の取立て
ニ 債務の履行
2 金融機関は、内閣府令で定めるところにより、信託業務の種類及び方法を定めて、前項の認可を受けなければならない。
3 内閣総理大臣は、第一項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 申請者が、信託業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、信託業務を的確に遂行することができること。
二 申請者による信託業務の遂行が金融秩序を乱すおそれがないものであること。
(信託業法の準用)
第二条 信託業法第十一条、第二十二条から第三十一条まで、第四十二条及び第四十九条の規定は、金融機関が信託業務を営む場合について準用する。この場合において、同法第十一条第十項中「第七条第三項の登録の更新がされなかった場合、第四十四条第一項の規定により第三条の免許が取り消された場合、第四十五条第一項の規定により第七条第一項の登録が取り消された場合若しくは第四十六条第一項の規定により第三条の免許若しくは第七条第一項の登録がその効力を失った」とあるのは「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第十条の規定により同法第一条第一項の認可が取り消された場合若しくは同法第十一条の規定により同法第一条第一項の認可がその効力を失った」と、同法第四十二条第二項中「第十七条から第十九条までの届出若しくは措置若しくは当該」とあるのは「当該」と、同法第四十九条第一項中「第七条第三項の登録の更新をしなかった場合、第四十四条第一項の規定により第三条の免許を取り消した場合又は第四十五条第一項の規定により第七条第一項の登録を取り消した」とあるのは「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第十条の規定により同法第一条第一項の認可を取り消した」と読み替えるものとする。
2 信託業務を営む金融機関が信託契約(内閣府令で定めるものを除く。)の締結の代理又は媒介を第三者に委託する場合には、当該金融機関を信託会社とみなして、信託業法第二条第八項及び第五章の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、同章中「所属信託会社」とあるのは「所属信託兼営金融機関」と、同法第七十八条第一項中「第三十四条第一項の規定」とあるのは「銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二十一条第一項その他政令で定める規定」とする。
3 信託業法第百五条第一項及び第二項の規定は、信託業務を営む金融機関が信託受益権販売業を営む場合について準用する。
(信託業務の種類又は方法の変更の認可)
第三条 金融機関が信託業務を営む場合において、当該信託業務の種類又は方法を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
第三条の次に次の章名を付する。
第二章 業務
第四条及び第五条を次のように改める。
(同一人に対する信用の供与等)
第四条 信託業務を営む金融機関に対し、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十三条の規定その他の金融機関の同一人に対する信用の供与等に係る規定を適用する場合には、これらの規定に規定する信用の供与の区分及び信用供与等限度額について政令で別段の定めをすることができる。
(定型的信託契約約款の変更等)
第五条 信託業務を営む金融機関は、多数人を委託者又は受益者とする定型的信託契約(貸付信託又は投資信託に係る信託契約を除く。)について約款の変更をしようとするときは、当該定型的信託契約における委託者及び受益者のすべての同意を得る方法によるほか、内閣総理大臣の認可を受けて、当該変更に異議のある委託者又は受益者は一定の期間内にその異議を述べるべき旨を公告する方法によりすることができる。
2 前項の期間は、一月を下ることができない。
3 委託者又は受益者が第一項の期間内に異議を述べなかった場合には、当該委託者又は受益者は、当該契約の変更を承諾したものとみなす。
4 第一項の期間内に異議を述べた受益者は、信託業務を営む金融機関に対して、その変更がなかったならば有したであろう公正な価格で受益権を買い取ることを請求することができる。
5 信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第百三条第七項及び第百四条の規定は、前項の請求があった場合について準用する。この場合において、同条第十一項ただし書中「信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定」とあるのは「定型的信託契約約款」と、同条第十二項中「前条第一項又は第二項」とあるのは「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第五条第四項」と、同項ただし書中「信託行為又は当該重要な信託の変更等の意思決定」とあるのは「定型的信託契約約款」と読み替えるものとする。
第五条ノ二から第五条ノ四までを削る。
第六条を次のように改める。
(損失の補てん等を行う旨の信託契約の締結)
第六条 信託業務を営む金融機関は、第二条第一項において準用する信託業法第二十四条第一項第四号の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、運用方法の特定しない金銭信託に限り、元本に損失を生じた場合又はあらかじめ一定額の利益を得なかった場合にこれを補てんし又は補足する旨を定める信託契約(内閣府令で定めるものに限る。)を締結することができる。
第六条の次に次の章名を付する。
第三章 監督
第七条を次のように改める。
(信託業務報告書等)
第七条 信託業務を営む金融機関は、事業年度ごとに、信託業務及び信託業務に係る財産の状況を記載した当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
第七条ノ二を削る。
第八条を次のように改める。
(届出等)
第八条 信託業務を営む金融機関は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 信託業務を開始したとき。
二 信託業務を廃止したとき(会社分割により信託業務の全部を承継させたとき、及び信託業務の全部の譲渡をしたときを含む。)。
三 合併(当該信託業務を営む金融機関が合併により消滅する場合を除く。)をし、会社分割により信託業務の一部の承継をさせ、又は信託業務の一部の譲渡をしたとき。
四 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2 信託業務を営む金融機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 信託業務の全部若しくは一部を営む営業所若しくは事務所の設置、位置の変更若しくは廃止又は当該営業所若しくは事務所において行う信託業務の内容の変更をしようとするとき。
二 その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
3 信託業務を営む金融機関は、信託業務の廃止をし、合併(当該信託業務を営む金融機関が消滅するものに限る。)をし、合併及び破産手続開始の決定以外の理由による解散をし、会社分割による信託業務の全部若しくは一部の承継をさせ、又は信託業務の全部若しくは一部の譲渡をしようとするときは、その日の三十日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、すべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
4 信託業務を営む金融機関は、前項の公告をしたときは、直ちに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第八条ノ二から第八条ノ四までを削る。
第九条を次のように改める。
(業務の停止等)
第九条 内閣総理大臣は、信託業務を営む金融機関の業務又は財産の状況に照らして、当該信託業務を営む金融機関の信託業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該信託業務を営む金融機関に対し、その必要の限度において、期限を付して信託業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は信託業務の種類若しくは方法の変更、財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
第九条ノ二を削る。
第十条から第十二条までを次のように改める。
(認可の取消し等)
第十条 内閣総理大臣は、信託業務を営む金融機関が、信託業務の遂行に当たり、法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の命令に違反したとき、又は公益を害する行為をしたときは、当該信託業務を営む金融機関に対し、信託業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第一条第一項の認可を取り消すことができる。
(認可の失効)
第十一条 信託業務を営む金融機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第一条第一項の認可は、その効力を失う。
一 信託業務の全部を廃止したとき。
二 会社分割により信託業務の全部を承継させ、又は信託業務の全部の譲渡をしたとき。
三 解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により信託業務を営む金融機関を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四 当該認可を受けた日から六月以内に当該認可を受けた事項を実行しなかったとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
(監督処分の公告)
第十二条 内閣総理大臣は、第十条の規定により第一条第一項の認可を取り消したとき、又は第九条若しくは第十条の規定により信託業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公告しなければならない。
第十二条の次に次の章名を付する。
第四章 雑則
第十三条から第十五条までを次のように改める。
(財務大臣への資料提出等)
第十三条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、信託業務に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、信託業務に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、信託業務を営む金融機関その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
(権限の委任)
第十四条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(内閣府令への委任)
第十五条 この法律に定めるもののほか、第一条第一項の認可の申請の手続その他この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令で定める。
第十五条の次に次の章名を付する。
第五章 罰則
第十六条を次のように改める。
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第百二条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者
二 第九条又は第十条の規定による信託業務の停止の命令に違反した者
第十八条から第二十条までを削る。
第十七条の条名を削る。
本則に次の七条を加える。
第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二条第一項において準用する信託業法第二十四条第一項第一号、第三号又は第四号の規定に違反して、これらの規定に掲げる行為をした者
二 第二条第一項において準用する信託業法第二十九条第二項の規定に違反した者
三 第二条第一項において準用する信託業法第四十二条第一項から第三項までの規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
四 第二条第一項において準用する信託業法第四十二条第一項から第三項までの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
五 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第九十六条において準用する同法第二十四条第一項第一号、第三号又は第四号の規定に違反して、これらの規定に掲げる行為をした者
六 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第九十八条第一項の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の報告書を提出した者
七 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第百条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
八 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第百条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
九 第七条の規定による中間業務報告書若しくは業務報告書を提出せず、又はこれらに記載すべき事項のうち重要な事項を記載せず、若しくは重要な事項について虚偽の記載をした者
十 第八条第三項の規定による公告をせず、又は虚偽の公告をした者
第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二条第一項において準用する信託業法第十一条第五項の規定に違反して、信託業務を開始した者
二 第三条の規定に違反して、認可を受けないで義務の内容又は方法を変更した者
第十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二条第一項において準用する信託業法第十一条第八項の規定に違反して、供託を行わなかった者
二 第二条第一項において準用する信託業法第二十六条第一項の規定による書面を交付せず、又は虚偽の書面を交付した者
三 第二条第一項において準用する信託業法第二十七条第一項の規定による報告書を交付せず、又は虚偽の記載をした報告書を交付した者
四 第二条第一項において準用する信託業法第二十九条第三項の規定による書面を交付せず、又は虚偽の書面を交付した者
第二十条 第八条第一項、第二項若しくは第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第二十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第十六条 三億円以下の罰金刑
二 第十七条 二億円以下の罰金刑
三 前三条 各本条の罰金刑
第二十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、信託業務を営む金融機関の役員、支配人、参事又は清算人は、百万円以下の過料に処する。
一 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第九十七条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をしたとき。
二 第二条第三項において準用する信託業法第百五条第二項の規定により適用する同法第百一条の規定による命令に違反したとき。
三 第六条の規定に基づく内閣府令に違反して、同条に規定する信託契約を締結したとき。
四 第九条の規定による内閣総理大臣の命令(信託業務の停止の命令を除く。)に違反したとき。
五 信託法第三十四条の規定により行うべき信託財産の管理を行わないとき。
第二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一 第二条第一項において準用する信託業法第十一条第四項の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
二 第二条第一項において準用する信託業法第二十九条の二の規定に違反して、重要な信託の変更又は信託の併合若しくは信託の分割をした者
(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十五条 前条の規定による改正後の金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第八条及び第十一条の規定は、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条に規定する金融機関(以下この条において単に「金融機関」という。)が施行日以後にする行為について適用し、金融機関が施行日前にした行為については、なお従前の例による。
2 金融機関が前条の規定による改正前の金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(以下この項において「旧兼営法」という。)第五条ノ三第一項に規定する定型的信託契約に係る約款に基づく信託契約によって引受けをした信託については、金融機関は、第三条の規定にかかわらず、旧兼営法第五条ノ三の規定の例により、適用される法律を新法とする旨の当該約款の変更をして、これを新法信託とすることができる。
(企業再建整備法の一部改正)
第十六条 企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第二十六条の八第三項中「信託法第六十五条及び同条において準用する同法第五十五条第二項」を「信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第百八十四条第一項及び第二項」に、「、これを」を「ついて」に改める。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正)
第十七条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「、委託者若しくは」を「、当該議決権を取得し、又は保有する者以外の委託者又は」に、「について委託者若しくは」を「について当該委託者又は」に改める。
(農業協同組合法の一部改正)
第十八条 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第八項中「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項に規定する信託業務に係る」を「次に掲げる」に改め、同項に次の各号を加える。
一 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により行う同法第一条第一項に規定する信託業務に係る事業
二 信託法(平成十八年法律第▼▼▼号)第三条第三号に掲げる方法によつてする信託に係る事務に関する事業
第十条第十八項中「組合は、」の下に「第八項第二号及び」を、「関しては」の下に「、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)」を加え、「(平成十六年法律第百五十四号)」を削る。
第十一条の二十四に次の一項を加える。
第十条第三項の信託の引受けの事業を行う農業協同組合への信託についての信託法第四十条第二項の規定の適用については、同項中「第二十八条」とあるのは、「農業協同組合法第十一条の二十四第三項」とする。
第十一条の二十六を次のように改める。
第十一条の二十六 第十条第三項の信託の引受けの事業を行う農業協同組合への信託については、信託法に規定する裁判所の権限(次に掲げる裁判に関するものを除く。)は、行政庁に属する。
一 信託法第百六十六条第一項の規定による信託の終了を命ずる裁判、同法第百六十九条第一項の規定による保全処分を命ずる裁判及び同法第百七十三条第一項の規定による新受託者の選任の裁判
二 信託法第百八十条第一項の規定による鑑定人の選任の裁判
三 信託法第二百二十三条の規定による書類の提出を命ずる裁判
四 信託法第二百
第一六四回
閣第八三号
信託法案
目次
第一章 総則(第一条―第十三条)
第二章 信託財産等(第十四条―第二十五条)
第三章 受託者等
第一節 受託者の権限(第二十六条―第二十八条)
第二節 受託者の義務等(第二十九条―第三十九条)
第三節 受託者の責任等(第四十条―第四十七条)
第四節 受託者の費用等及び信託報酬等(第四十八条―第五十五条)
第五節 受託者の変更等
第一款 受託者の任務の終了(第五十六条―第五十八条)
第二款 前受託者の義務等(第五十九条―第六十一条)
第三款 新受託者の選任(第六十二条)
第四款 信託財産管理者等(第六十三条―第七十四条)
第五款 受託者の変更に伴う権利義務の承継等(第七十五条―第七十八条)
第六節 受託者が二人以上ある信託の特例(第七十九条―第八十七条)
第四章 受益者等
第一節 受益者の権利の取得及び行使(第八十八条―第九十二条)
第二節 受益権等
第一款 受益権の譲渡等(第九十三条―第九十八条)
第二款 受益権の放棄(第九十九条)
第三款 受益債権(第百条―第百二条)
第四款 受益権取得請求権(第百三条・第百四条)
第三節 二人以上の受益者による意思決定の方法の特例
第一款 総則(第百五条)
第二款 受益者集会(第百六条―第百二十二条)
第四節 信託管理人等
第一款 信託管理人(第百二十三条―第百三十条)
第二款 信託監督人(第百三十一条―第百三十七条)
第三款 受益者代理人(第百三十八条―第百四十四条)
第五章 委託者(第百四十五条―第百四十八条)
第六章 信託の変更、併合及び分割
第一節 信託の変更(第百四十九条・第百五十条)
第二節 信託の併合(第百五十一条―第百五十四条)
第三節 信託の分割
第一款 吸収信託分割(第百五十五条―第百五十八条)
第二款 新規信託分割(第百五十九条―第百六十二条)
第七章 信託の終了及び清算
第一節 信託の終了(第百六十三条―第百七十四条)
第二節 信託の清算(第百七十五条―第百八十四条)
第八章 受益証券発行信託の特例
第一節 総則(第百八十五条―第百九十三条)
第二節 受益権の譲渡等の特例(第百九十四条―第二百六条)
第三節 受益証券(第二百七条―第二百十一条)
第四節 関係当事者の権利義務等の特例(第二百十二条―第二百十五条)
第九章 限定責任信託の特例
第一節 総則(第二百十六条―第二百二十一条)
第二節 計算等の特例(第二百二十二条―第二百三十一条)
第三節 限定責任信託の登記(第二百三十二条―第二百四十七条)
第十章 受益証券発行限定責任信託の特例(第二百四十八条―第二百五十七条)
第十一章 受益者の定めのない信託の特例(第二百五十八条―第二百六十一条)
第十二章 雑則
第一節 非訟(第二百六十二条―第二百六十四条)
第二節 公告等(第二百六十五条・第二百六十六条)
第十三章 罰則(第二百六十七条―第二百七十一条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。
(定義)
第二条 この法律において「信託」とは、次条各号に掲げる方法のいずれかにより、特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。同条において同じ。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。
2 この法律において「信託行為」とは、次の各号に掲げる信託の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。
一 次条第一号に掲げる方法による信託 同号の信託契約
二 次条第二号に掲げる方法による信託 同号の遺言
三 次条第三号に掲げる方法による信託 同号の書面又は電磁的記録(同号に規定する電磁的記録をいう。)によってする意思表示
3 この法律において「信託財産」とは、受託者に属する財産であって、信託により管理又は処分をすべき一切の財産をいう。
4 この法律において「委託者」とは、次条各号に掲げる方法により信託をする者をいう。
5 この法律において「受託者」とは、信託行為の定めに従い、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をすべき義務を負う者をいう。
6 この法律において「受益者」とは、受益権を有する者をいう。
7 この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
8 この法律において「固有財産」とは、受託者に属する財産であって、信託財産に属する財産でない一切の財産をいう。
9 この法律において「信託財産責任負担債務」とは、受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務をいう。
10 この法律において「信託の併合」とは、受託者を同一とする二以上の信託の信託財産の全部を一の新たな信託の信託財産とすることをいう。
11 この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。
12 この法律において「限定責任信託」とは、受託者が当該信託のすべての信託財産責任負担債務について信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う信託をいう。
(信託の方法)
第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法
(信託の効力の発生)
第四条 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
2 前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
3 前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
一 公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合 当該公正証書等の作成
二 公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合 受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
4 前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。
(遺言信託における信託の引受けの催告)
第五条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。
2 前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。
3 委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。
(遺言信託における裁判所による受託者の選任)
第六条 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。
2 前項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。
3 第一項の規定による受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者は、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有する。
(受託者の資格)
第七条 信託は、未成年者又は成年被後見人若しくは被保佐人を受託者としてすることができない。
(受託者の利益享受の禁止)
第八条 受託者は、受益者として信託の利益を享受する場合を除き、何人の名義をもってするかを問わず、信託の利益を享受することができない。
(脱法信託の禁止)
第九条 法令によりある財産権を享有することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。
(訴訟信託の禁止)
第十条 信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。
(詐害信託の取消し等)
第十一条 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害すべき事実を知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第一項の規定による取消しを裁判所に請求することができる。ただし、受益者が現に存する場合において、その受益者の全部又は一部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第八十九条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定による請求を認容する判決が確定した場合において、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者(委託者であるものを除く。)が当該債権を取得した時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、委託者は、当該債権を有する債権者に対し、当該信託財産責任負担債務について弁済の責任を負う。ただし、同項の規定による取消しにより受託者から委託者に移転する財産の価額を限度とする。
3 前項の規定の適用については、第四十九条第一項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により受託者が有する権利は、金銭債権とみなす。
4 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第四百二十四条第一項の規定による取消しを裁判所に請求することができる。ただし、当該受益者が、受益者としての指定を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
5 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
6 民法第四百二十六条の規定は、前項の規定による請求権について準用する。
7 受益者の指定又は受益権の譲渡に当たっては、第一項本文、第四項本文又は第五項前段の規定の適用を不当に免れる目的で、債権者を害すべき事実を知らない者(以下この項において「善意者」という。)を無償(無償と同視すべき有償を含む。以下この項において同じ。)で受益者として指定し、又は善意者に対し無償で受益権を譲り渡してはならない。
8 前項の規定に違反する受益者の指定又は受益権の譲渡により受益者となった者については、第一項ただし書及び第四項ただし書(第五項後段において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(詐害信託の否認等)
第十二条 破産者が委託者としてした信託における破産法(平成十六年法律第七十五号)第百六十条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者」とあるのは、「これによって利益を受けた受益者の全部又は一部」とする。
2 破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。
3 再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者」とあるのは、「これによって利益を受けた受益者の全部又は一部」とする。
4 再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第四項ただし書の規定を準用する。
5 前二項の規定は、更生会社(会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二条第七項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。この場合において、第三項中「民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第百二十七条第一項」とあるのは「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第八十六条第一項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五十七条第一項及び第二百二十三条第一項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第十二条第一項第一号に規定する再生債務者財産をいう。第二十五条第四項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
(会計の原則)
第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。
第二章 信託財産等
(信託財産に属する財産の対抗要件)
第十四条 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。
(信託財産に属する財産の占有の瑕疵の承継)
第十五条 受託者は、信託財産に属する財産の占有について、委託者の占有の瑕疵を承継する。
(信託財産の範囲)
第十六条 信託行為において信託財産に属すべきものと定められた財産のほか、次に掲げる財産は、信託財産に属する。
一 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産
二 次条、第十八条、第十九条(第八十四条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第二百二十六条第三項、第二百二十八条第三項及び第二百五十四条第二項の規定により信託財産に属することとなった財産(第十八条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産に属するものとみなされた共有持分及び第十九条の規定による分割によって信託財産に属することとされた財産を含む。)
(信託財産に属する財産の付合等)
第十七条 信託財産に属する財産と固有財産若しくは他の信託の信託財産に属する財産との付合若しくは混和又はこれらの財産を材料とする加工があった場合には、各信託の信託財産及び固有財産に属する財産は各別の所有者に属するものとみなして、民法第二百四十二条から第二百四十八条までの規定を適用する。
第十八条 信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。
2 前項の共有持分は、相等しいものと推定する。
3 前二項の規定は、ある信託の受託者が他の信託の受託者を兼ねる場合において、各信託の信託財産に属する財産を識別することができなくなったとき(前条に規定する場合を除く。)について準用する。この場合において、第一項中「信託財産と固有財産と」とあるのは、「各信託の信託財産」と読み替えるものとする。
(信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割)
第十九条 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。
一 信託行為において定めた方法
二 受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法
三 分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法
2 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。
3 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。
一 各信託の信託行為において定めた方法
二 各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法
三 各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法
4 前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。
(信託財産に属する財産についての混同の特例)
第二十条 同一物について所有権及び他の物権が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第一項本文の規定にかかわらず、当該他の物権は、消滅しない。
2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が信託財産と固有財産又は他の信託の信託財産とにそれぞれ帰属した場合には、民法第百七十九条第二項前段の規定にかかわらず、当該他の権利は、消滅しない。
3 次に掲げる場合には、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は、消滅しない。
一 信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合を除く。)
二 信託財産責任負担債務に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合を除く。)
三 固有財産又は他の信託の信託財産に属する債権に係る債務が受託者に帰属した場合(信託財産責任負担債務となった場合に限る。)
四 受託者の債務(信託財産責任負担債務を除く。)に係る債権が受託者に帰属した場合(当該債権が信託財産に属することとなった場合に限る。)
(信託財産責任負担債務の範囲)
第二十一条 次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。
一 受益債権
二 信託財産に属する財産について信託前の原因によって生じた権利
三 信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの
四 第百三条第一項又は第二項の規定による受益権取得請求権
五 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属するものによって生じた権利
六 信託財産のためにした行為であって受託者の権限に属しないもののうち、次に掲げるものによって生じた権利
イ 第二十七条第一項又は第二項(これらの規定を第七十五条第四項において準用する場合を含む。ロにおいて同じ。)の規定により取り消すことができない行為(当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知らなかったもの(信託財産に属する財産について権利を設定し又は移転する行為を除く。)を除く。)
ロ 第二十七条第一項又は第二項の規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないもの
七 第三十一条第六項に規定する処分その他の行為又は同条第七項に規定する行為のうち、これらの規定により取り消すことができない行為又はこれらの規定により取り消すことができる行為であって取り消されていないものによって生じた権利
八 受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利
九 第五号から前号までに掲げるもののほか、信託事務の処理について生じた権利
2 信託財産責任負担債務のうち次に掲げる権利に係る債務について、受託者は、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う。
一 受益債権
二 信託行為に第二百十六条第一項の定めがあり、かつ、第二百三十二条の定めるところにより登記がされた場合における信託債権(信託財産責任負担債務に係る債権であって、受益債権でないものをいう。以下同じ。)
三 前二号に掲げる場合のほか、この法律の規定により信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものとされる場合における信託債権
四 信託債権を有する者(以下「信託債権者」という。)との間で信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う旨の合意がある場合における信託債権
(信託財産に属する債権等についての相殺の制限)
第二十二条 受託者が固有財産又は他の信託の信託財産(第一号において「固有財産等」という。)に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務(第一号及び第二号において「固有財産等責任負担債務」という。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって信託財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該信託財産に属する債権が固有財産等に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合
二 当該固有財産等責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該信託財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産等責任負担債務が信託財産責任負担債務でないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合
2 前項本文の規定は、第三十一条第二項各号に掲げる場合において、受託者が前項の相殺を承認したときは、適用しない。
3 信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。
4 前項本文の規定は、受託者が同項の相殺を承認したときは、適用しない。
(信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等)
第二十三条 信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。
2 第三条第三号に掲げる方法によって信託がされた場合において、委託者がその債権者を害することを知って当該信託をしたときは、前項の規定にかかわらず、信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者のほか、当該委託者(受託者であるものに限る。)に対する債権で信託前に生じたものを有する者は、信託財産に属する財産に対し、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができる。ただし、受益者が現に存する場合において、その受益者の全部又は一部が、受益者としての指定を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
3 第十一条第七項及び第八項の規定は、前項の規定の適用について準用する。
4 前二項の規定は、第二項の信託がされた時から二年間を経過したときは、適用しない。
5 第一項又は第二項の規定に違反してされた強制執行、仮差押え、仮処分又は担保権の実行若しくは競売に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。この場合においては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十八条及び民事保全法(平成元年法律第九十一号)第四十五条の規定を準用する。
6 第一項又は第二項の規定に違反してされた国税滞納処分に対しては、受託者又は受益者は、異議を主張することができる。この場合においては、当該異議の主張は、当該国税滞納処分について不服の申立てをする方法でする。
(費用又は報酬の支弁等)
第二十四条 前条第五項又は第六項の規定による異議に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。
2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
(信託財産と受託者の破産手続等との関係等)
第二十五条 受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない。
2 前項の場合には、受益債権は、破産債権とならない。信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。
3 第一項の場合には、破産法第二百五十二条第一項の免責許可の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。
4 受託者が再生手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、再生債務者財産に属しない。
5 前項の場合には、受益債権は、再生債権とならない。信託債権であって受託者が信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものも、同様とする。
6 第四項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。
7 前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、第四項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第二条第十四項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十九条第十四項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第四条第十四項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第五項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第二百三十五条第一項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。
第三章 受託者等
第一節 受託者の権限
(受託者の権限の範囲)
第二十六条 受託者は、信託財産に属する財産の管理又は処分及びその他の信託の目的の達成のために必要な行為をする権限を有する。ただし、信託行為によりその権限に制限を加えることを妨げない。
(受託者の権限違反行為の取消し)
第二十七条 受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において、次のいずれにも該当するときは、受益者は、当該行為を取り消すことができる。
一 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が信託財産のためにされたものであることを知っていたこと。
二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。
2 前項の規定にかかわらず、受託者が信託財産に属する財産(第十四条の信託の登記又は登録をすることができるものに限る。)について権利を設定し又は移転した行為がその権限に属しない場合には、次のいずれにも該当するときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。
一 当該行為の当時、当該信託財産に属する財産について第十四条の信託の登記又は登録がされていたこと。
二 当該行為の相手方が、当該行為の当時、当該行為が受託者の権限に属しないことを知っていたこと又は知らなかったことにつき重大な過失があったこと。
3 二人以上の受益者のうちの一人が前二項の規定による取消権を行使したときは、その取消しは、他の受益者のためにも、その効力を生ずる。
4 第一項又は第二項の規定による取消権は、受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)が取消しの原因があることを知った時から三箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から一年を経過したときも、同様とする。
(信託事務の処理の第三者への委託)
第二十八条 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。
一 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。
二 信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。
三 信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。
第二節 受託者の義務等
(受託者の注意義務)
第二十九条 受託者は、信託の本旨に従い、信託事務を処理しなければならない。
2 受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。
(忠実義務)
第三十条 受託者は、受益者のため忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければならない。
(利益相反行為の制限)
第三十一条 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。
二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。
三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの
四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの
2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。
一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。
二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。
三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。
四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。
3 受託者は、第一項各号に掲げる行為をしたときは、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされた場合には、これらの行為は、無効とする。
5 前項の行為は、受益者の追認により、当該行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
6 第四項に規定する場合において、受託者が第三者との間において第一項第一号又は第二号の財産について処分その他の行為をしたときは、当該第三者が同項及び第二項の規定に違反して第一項第一号又は第二号に掲げる行為がされたことを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該処分その他の行為を取り消すことができる。この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。
7 第一項及び第二項の規定に違反して第一項第三号又は第四号に掲げる行為がされた場合には、当該第三者がこれを知っていたとき又は知らなかったことにつき重大な過失があったときに限り、受益者は、当該行為を取り消すことができる。この場合においては、第二十七条第三項及び第四項の規定を準用する。
第三十二条 受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。
2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができる。ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。
一 信託行為に当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることを許容する旨の定めがあるとき。
二 受託者が当該行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算ですることについて重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。
3 受託者は、第一項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 第一項及び第二項の規定に違反して受託者が第一項に規定する行為をした場合には、受益者は、当該行為は信託財産のためにされたものとみなすことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
5 前項の規定による権利は、当該行為の時から一年を経過したときは、消滅する。
(公平義務)
第三十三条 受益者が二人以上ある信託においては、受託者は、受益者のために公平にその職務を行わなければならない。
(分別管理義務)
第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録
二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法
イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法
ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法
三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの
2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。
(信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務)
第三十五条 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。
2 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。
3 受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。
一 信託行為において指名された第三者
二 信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者
4 前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
(信託事務の処理の状況についての報告義務)
第三十六条 委託者又は受益者は、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求めることができる。
(帳簿等の作成等、報告及び保存の義務)
第三十七条 受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。
2 受託者は、毎年一回、一定の時期に、法務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の法務省令で定める書類又は電磁的記録を作成しなければならない。
3 受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 受託者は、第一項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第六項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。
5 受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
6 受託者は、第二項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。
(帳簿等の閲覧等の請求)
第三十八条 受益者は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 前条第一項又は第五項の書類の閲覧又は謄写の請求
二 前条第一項又は第五項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。
三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
五 請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。
六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
3 前項(第一号及び第二号を除く。)の規定は、受益者が二人以上ある信託のすべての受益者から第一項の請求があったとき、又は受益者が一人である信託の当該受益者から同項の請求があったときは、適用しない。
4 信託行為において、次に掲げる情報以外の情報について、受益者が同意をしたときは第一項の規定による閲覧又は謄写の請求をすることができない旨の定めがある場合には、当該同意をした受益者(その承継人を含む。以下この条において同じ。)は、その同意を撤回することができない。
一 前条第二項の書類又は電磁的記録の作成に欠くことのできない情報その他の信託に関する重要な情報
二 当該受益者以外の者の利益を害するおそれのない情報
5 受託者は、前項の同意をした受益者から第一項の規定による閲覧又は謄写の請求があったときは、前項各号に掲げる情報に該当する部分を除き、これを拒むことができる。
6 利害関係人は、受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。
一 前条第二項の書類の閲覧又は謄写の請求
二 前条第二項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
(他の受益者の氏名等の開示の請求)
第三十九条 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 他の受益者の氏名又は名称及び住所
二 他の受益者が有する受益権の内容
2 前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
二 請求者が不適当な時に請求を行ったとき。
三 請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
四 請求者が当該信託に係る業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
五 請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
六 請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
第三節 受託者の責任等
(受託者の損失てん補責任等)
第四十条 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。
一 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補
二 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復
2 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。
3 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。
4 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。
(法人である受託者の役員の連帯責任)
第四十一条 法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。
(損失てん補責任等の免除)
第四十二条 受益者は、次に掲げる責任を免除することができる。
一 第四十条の規定による責任
二 前条の規定による責任
(損失てん補責任等に係る債権の期間の制限)
第四十三条 第四十条の規定による責任に係る債権の消滅時効は、債務の不履行によって生じた責任に係る債権の消滅時効の例による。
2 第四十一条の規定による責任に係る債権は、十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3 第四十条又は第四十一条の規定による責任に係る受益者の債権の消滅時効は、受益者が受益者としての指定を受けたことを知るに至るまでの間(受益者が現に存しない場合にあっては、信託管理人が選任されるまでの間)は、進行しない。
4 前項に規定する債権は、受託者がその任務を怠ったことによって信託財産に損失又は変更が生じた時から二十年を経過したときは、消滅する。
(受益者による受託者の行為の差止め)
第四十四条 受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2 受託者が第三十三条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
(費用又は報酬の支弁等)
第四十五条 第四十条、第四十一条又は前条の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士、弁護士法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。
2 前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
(検査役の選任)
第四十六条 受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2 前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3 第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。
4 第一項の規定による検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
5 第二項の検査役は、信託財産から裁判所が定める報酬を受けることができる。
6 前項の規定による検査役の報酬を定める裁判をする場合には、受託者及び第二項の検査役の陳述を聴かなければならない。
7 第五項の規定による検査役の報酬を定める裁判に対しては、受託者及び第二項の検査役は、即時抗告をすることができる。
第四十七条 前条第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。
2 前条第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
3 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、前条第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
4 前条第二項の検査役は、第二項の報告をしたときは、受託者及び同条第一項の申立てをした受益者に対し、第二項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
5 受託者は、前項の規定による書面の写しの交付又は電磁的記録に記録された事項の法務省令で定める方法による提供があったときは、直ちに、その旨を受益者(前条第一項の申立てをしたものを除く。次項において同じ。)に通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
6 裁判所は、第二項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、受託者に対し、同項の調査の結果を受益者に通知することその他の当該報告の内容を周知するための適切な措置をとるべきことを命じなければならない。
第四節 受託者の費用等及び信託報酬等
(信託財産からの費用等の償還等)
第四十八条 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
3 受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。
(費用等の償還等の方法)
第四十九条 受託者は、前条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けることができる場合には、その額の限度で、信託財産に属する金銭を固有財産に帰属させることができる。
2 前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
3 第一項に規定する場合において、第三十一条第二項各号のいずれかに該当するときは、受託者は、第一項の規定により有する権利の行使に代えて、信託財産に属する財産で金銭以外のものを固有財産に帰属させることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 第一項の規定により受託者が有する権利は、信託財産に属する財産に対し強制執行又は担保権の実行の手続が開始したときは、これらの手続との関係においては、金銭債権とみなす。
5 前項の場合には、同項に規定する権利の存在を証する文書により当該権利を有することを証明した受託者も、同項の強制執行又は担保権の実行の手続において、配当要求をすることができる。
6 各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。この場合においては、その順位は、民法第三百七条第一項に規定する先取特権と同順位とする。
7 次の各号に該当する費用等について第一項の規定により受託者が有する権利は、当該各号に掲げる区分に応じ、当該各号の財産に係る第四項の強制執行又は担保権の実行の手続において、当該各号に定める金額について、他の債権者の権利に優先する。
一 信託財産に属する財産の保存のために支出した金額その他の当該財産の価値の維持のために必要であると認められるもの その金額
二 信託財産に属する財産の改良のために支出した金額その他の当該財産の価値の増加に有益であると認められるもの その金額又は現に存する増価額のいずれか低い金額
(信託財産責任負担債務の弁済による受託者の代位)
第五十条 受託者は、信託財産責任負担債務を固有財産をもって弁済した場合において、これにより前条第一項の規定による権利を有することとなったときは、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に代位する。この場合においては、同項の規定により受託者が有する権利は、その代位との関係においては、金銭債権とみなす。
2 前項の規定により受託者が同項の債権者に代位するときは、受託者は、遅滞なく、当該債権者の有する債権が信託財産責任負担債務に係る債権である旨及びこれを固有財産をもって弁済した旨を当該債権者に通知しなければならない。
(費用等の償還等と同時履行)
第五十一条 受託者は、第四十九条第一項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
(信託財産が費用等の償還等に不足している場合の措置)
第五十二条 受託者は、第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産(第四十九条第二項の規定により処分することができないものを除く。第一号及び第四項において同じ。)が不足している場合において、委託者及び受益者に対し次に掲げる事項を通知し、第二号の相当の期間を経過しても委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けなかったときは、信託を終了させることができる。
一 信託財産が不足しているため費用等の償還又は費用の前払を受けることができない旨
二 受託者の定める相当の期間内に委託者又は受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けないときは、信託を終了させる旨
2 委託者が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「受益者」とする。
3 受益者が現に存しない場合における第一項の規定の適用については、同項中「委託者及び受益者」とあり、及び「委託者又は受益者」とあるのは、「委託者」とする。
4 第四十八条第一項又は第二項の規定により信託財産から費用等の償還又は費用の前払を受けるのに信託財産が不足している場合において、委託者及び受益者が現に存しないときは、受託者は、信託を終了させることができる。
(信託財産からの損害の賠償)
第五十三条 受託者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める損害の額について、信託財産からその賠償を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 受託者が信託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けた場合 当該損害の額
二 受託者が信託事務を処理するため第三者の故意又は過失によって損害を受けた場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該第三者に対し賠償を請求することができる額
2 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)並びに前二条の規定は、前項の規定による信託財産からの損害の賠償について準用する。
(受託者の信託報酬)
第五十四条 受託者は、信託の引受けについて商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。
2 前項の場合には、信託報酬の額は、信託行為に信託報酬の額又は算定方法に関する定めがあるときはその定めるところにより、その定めがないときは相当の額とする。
3 前項の定めがないときは、受託者は、信託財産から信託報酬を受けるには、受益者に対し、信託報酬の額及びその算定の根拠を通知しなければならない。
4 第四十八条第四項及び第五項、第四十九条(第六項及び第七項を除く。)、第五十一条並びに第五十二条並びに民法第六百四十八条第二項及び第三項の規定は、受託者の信託報酬について準用する。
(受託者による担保権の実行)
第五十五条 担保権が信託財産である信託において、信託行為において受益者が当該担保権によって担保される債権に係る債権者とされている場合には、担保権者である受託者は、信託事務として、当該担保権の実行の申立てをし、売却代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる。
第五節 受託者の変更等
第一款 受託者の任務の終了
(受託者の任務の終了事由)
第五十六条 受託者の任務は、信託の清算が結了した場合のほか、次に掲げる事由によって終了する。ただし、第三号に掲げる事由による場合にあっては、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 受託者である個人の死亡
二 受託者である個人が後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと。
三 受託者(破産手続開始の決定により解散するものを除く。)が破産手続開始の決定を受けたこと。
四 受託者である法人が合併以外の理由により解散したこと。
五 次条の規定による受託者の辞任
六 第五十八条の規定による受託者の解任
七 信託行為において定めた事由
2 受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。
3 前項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 第一項第三号に掲げる事由が生じた場合において、同項ただし書の定めにより受託者の任務が終了しないときは、受託者の職務は、破産者が行う。
5 受託者の任務は、受託者が再生手続開始の決定を受けたことによっては、終了しない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
6 前項本文に規定する場合において、管財人があるときは、受託者の職務の遂行並びに信託財産に属する財産の管理及び処分をする権利は、管財人に専属する。保全管理人があるときも、同様とする。
7 前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第七十四条第二項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第四十七条及び第二百十三条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。
(受託者の辞任)
第五十七条 受託者は、委託者及び受益者の同意を得て、辞任することができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 受託者は、やむを得ない事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。
3 受託者は、前項の許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。
4 第二項の許可の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。
5 第二項の規定による辞任の許可の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
6 委託者が現に存しない場合には、第一項本文の規定は、適用しない。
(受託者の解任)
第五十八条 委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、受託者を解任することができる。
2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に受託者を解任したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 受託者がその任務に違反して信託財産に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、委託者又は受益者の申立てにより、受託者を解任することができる。
5 裁判所は、前項の規定により受託者を解任する場合には、受託者の陳述を聴かなければならない。
6 第四項の申立てについての裁判には、理由を付さなければならない。
7 第四項の規定による解任の裁判に対しては、委託者、受託者又は受益者は、即時抗告をすることができる。
8 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
第二款 前受託者の義務等
(前受託者の通知及び保管の義務等)
第五十九条 第五十六条第一項第三号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。
3 第五十六条第一項第四号から第七号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第六十四条第一項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。
4 前項の規定にかかわらず、第五十六条第一項第五号に掲げる事由(第五十七条第一項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
5 第三項の場合(前項本文に規定する場合を除く。)において、前受託者が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、前受託者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。
(前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等)
第六十条 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 第五十六条第一項第一号又は第二号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。
3 前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。
4 第五十六条第一項第三号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。
5 前項の場合において、破産管財人が信